ほっと・ステーションらら 母の願い 形になり5年 重度障がい児・者のための“先駆的”施設
医療的ケアが必要な重度障がい児・者とその家族を支援する特定非営利活動法人「ほっと・ステーションらら(西嶋久恵理事長)」が5周年を迎えた。隣接する小児科医院と連携し、障がい児・者が安心して利用できる同施設は、利用者の家族、地域医療、行政が手を取り合う”新しい形”でスタートした。
家族の”ほっと一息” 支援
「先日は兄弟の運動会に出るため、利用させてもらいました。まさにこのような施設を求めていた、私たちにとって理想の場所です」─。介護者が一時的に介護の負担から開放され、心身ともにリフレッシュする「レスパイト」という支援の形。障がい児・者はもちろん、介護者となる家族もまた、支援の手を必要としている。医療的ケアを必要とする重度の障がい児・者とその家族が、地域の中で安心して暮らせる仕組みを形にしたのが「ほっと・ステーションらら」だ。
同施設は平成12年、町田養護学校(現町田の丘学園)に通う重度障がい児の母親が中心となり、「重い障がいがある子の卒後を考える会『きらり』」が母体となっている。きらりは、医療的ケアを要する児童とその家族が、地域で福祉と医療の両方のサービスが受けられることを目指し、現理事長の西嶋さんや前理事長の三冨千恵子さんらが中心となって、つくし野の借家を拠点にレスパイトサービスを開始した。ここを拠点にしたのは、隣接する「豊川小児科内科医院」と連携するため。施設の医療的ケアは、豊川医師の指示を受けたスタッフが必要に応じて痰の吸引や経管栄養その他の医療的ケアを行う体制を整えている。またその年の12月、この福祉・医療のサービスを兼ね備えた家族支援型の施設が東京都より先駆的事業として認められ、補助金支給も決定した。
思い重なり5周年
ほっと・ステーションららは現在、「レスパイト」(=一時預かり)支援のほかに、居宅介護がある。レスパイト支援は、会員数34人(2011年9月現在)で、施設での一時預かり・もしくは自宅への訪問で、個々のニーズに合わせた支援を行う。また、居宅介護事業の利用者数は20人で、スタッフの中に看護師を配置することで、医療的ケアが必要な訪問介護にも対応できるようになっている。
先月29日には5周年をお祝いする会も開かれた。利用者とその家族、施設関係者ら50人ほどが集まり、スライドで開所当初から現在に至る歴史を振り返り、歌やダンスなどで周年を祝った。理事長兼施設長の西嶋さんは、「5年ほど前に種を撒き、幹を伸ばしてららがここまで来れたのも、各方面の皆さまとのご縁があり、思いが重なって育てていただいたおかげ様です。これからもどうぞ宜しくお願い致します」と挨拶で感謝の意を述べた。
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