第36回「なるせだいまつり」実行委員長を務める 岩崎 寿美男さん 成瀬台在住 76歳
「子どもたちに故郷を」
○…「子どもたちのために”故郷”を作ってあげたかった」。40年ほど前の成瀬台は造成が進行中の出来たばかりの新しい町だった。「山が残り、自然豊かな町だったが、ダンプカーがひっきりなしに通っていたよ」と振り返る。当時は子どもの数が多く、奥さんの三幸子さんらが中心となって地域で「子ども会」を発足させた。「町はまだ未熟だったけど、子どもを中心に町ができあがったのかな」
○…川崎市生まれ。「ナシやモモ畑に囲まれて、暗くなるまで山を駆けずり回って遊んでいたよ」。終戦を迎えたのは9歳の時。八王子や立川の空襲が記憶に残る。オレンジ色が広がる夜空、落ちていく爆弾…。30代前半に町田に新居を構える。奥さんと一緒に町作りに尽力する。「僕ら親世代にはそれぞれ故郷があるけど、子どもたち世代には成瀬台が故郷。子どもたちが巣立っても帰ってこられる場所を作りたかった」
○…まず始めたのが、夏祭り。当時は1000人程の児童が集まった。「お御輿も必要だろうと、樽で出来た御輿を25基作った。町を練り歩き、壮観だったよ」。子どものための夏祭りは今年で36回目となる。「当時子どもだった人が今では親となり、運営や設営に協力してくれる。そして親世代だった人が孫を連れて祭りを楽しんでくれる。長年やってきて良かったよ」とニッコリ。今でも地域住民ら10000人が集う。
○…定年退職後、地域の福祉施設で奥さんと組織作りを行う。「引っ越してきた時は子どもが多く、今は高齢者が増えた。時代によって必要とされることが変わっていく」。これからは子育てが終わり、定年までまだ時間がある40代後半から50代とのつながり作りを目指す。「おじいちゃん、おばあちゃんになるには、まだまだ時間があるし、こんな人たちと一緒に活動することができたら楽しいことが出来ると思う。まだまだやりたいことがいっぱいあるよ」と笑う。
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