補給廠北側 道路整備へ 町田市民にも利便性高まる
返還用地に面する道路は現在抜け道として利用されている
町田市小山町付近の町田街道と並走する相模総合補給廠の北側部分の一部返還について、相模原市は17日、日米合同委員会で合意されたことを発表した。基地北側の道路整備に一定の道筋がついたことで、近く近隣住民に説明し、国、米軍と調整を進めながら測量などに着手していく方針。整備により、相模原市中央区宮下本町から上矢部に一本の道路が新設され、緊急車両も通行できるようになるなど町田市民にとっても利便性が高まりそうだ。
返還合意されたのは相模原市中央区宮下本町１丁目から上矢部１・２丁目までの北側の土地約８９００平方メートル（図＝緑色部分）とフェンス、排水設備。
この場所には現在、フェンスに沿って道路があるものの、道幅が狭いため緊急車両は迂回を余儀なくされていた。
北側道路部分の返還は、１９９１年に小山地区市政懇談会で要望が出されてから長年にわたって懸案とされてきた。２００２年には、市が国に返還を要請。その後、米軍から返還条件について相模原市に照会があり、２０１１年に国へ米軍の条件に同意する旨を文書で提出。今年９月に国から返還の最終確認を受けた。
北側の道路が新設されることで、大型の緊急車両も通行できる車幅へと拡がる見込み。ただ、道路と補給廠内の建物との距離を10ｍ確保する米軍の返還条件があるため、十分な道路用地を得るには一部の住居など民有地を買収する必要があるという。交渉によっては整備計画が難航する恐れも考えられる。
町田市内では小山交差点付近で、都が工事を進めている町田小山陸橋（仮称）が今年度中に通行が可能になる予定で、また町田街道の西側に向かう拡幅工事も用地買収の必要な部分もあるが、工事が進められている。
同陸橋が完成すると、多摩・相模原両方面からの交通がスムーズになることから、相模補給廠の北側道路の拡幅が加わることにより同地区の渋滞緩和が期待され、緊急車両の通行など町田市民にも利便性が高まる。
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