高齢化により、認知症患者が急増する現代。厚生労働省の推計によると、認知症の人の数が2012年で全国の約462万人が相当し、団塊の世代が75歳以上となる2025年には約700万人に増加する。これは高齢者の約5人に1人の割合となる。認知症の人が認知症とともにより良く生きていくことができるような環境整備が必要とされ、町田市でも様々な形で、地域で支える課題に取り組んでいる。
町田市医師会(川村益彦会長)が中心となり、町田市内の医療・福祉関係者らで結成した「町田・安心して暮らせるまちづくりプロジェクト」の4回目の研修会が先月行われ、2014年度から結成されている「認知症初期集中支援チーム」の実績の発表や、互いの活動について話し合いが行われた。
「市民が可能な限り住み慣れた地域で、自立した日常生活を送る」ための「地域の役割」を考えた時、医療・介護などのサービス提供者が連携し、行政と一体となったチームケアが最善と考えられている。認知症と思われる本人や家族のケアを行う同チームは、症状に合わせて本人や家族が受けられる最適な治療やサービスの情報を提供することで、本人・家族は改めて現状を確認することができ、今後の生活設計を考えることができる。チームは医療機関や、高齢者支援センターなど福祉施設に相談すると、必要と判断された場合に結成される。
パネルディスカッションでは、参加した同チーム協力病院の各院長らが「高齢者は移動手段が無いため、自分からは診療を受けられないことが多く訪問看護から診療に繋がった」「患者さんが医者にかかっていることを説明できず、薬を多剤併用してしまう。これは訪問しないと分からないことだった」など現状を伝えあい、訪問看護やかかりつけ医との連携の重要さを再確認した。
いつ、どこに相談すれば?
東京都健康長寿医療センター研究所の粟田主一部長による講演では、町田市が作成した認知症ケアパスについて触れられた。「認知症の人やその家族が、認知症と疑われる症状が発生した場合に医療や介護サービスへのアクセス方法やどの様な支援を受ける事ができるのかを早めに理解することが、その後の生活に対する安心感につながる」と話し、認知症の人の生活機能障害の進行に合わせて、いつ・どこで・どのような医療・介護サービスを受ければよいのか、具体的な機関名やケア内容があらかじめ認知症の人とその家族に提示できるシステムの重要性を伝えた。その中で認知症地域支援推進員や認知症初期集中チームなどの「入り口」の重要性を訴えた。
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