作品展を開催する65歳以上の生徒たちにパステル画を指導する 田島 篤さん 能ヶ谷在住 81歳
画の奥深さを伝授する
○…町田市シルバー人材センターで、65歳以上の生徒を相手にパステル画講座の講師を務めた。その時の生徒が作ったサークルの作品展に参加する。「修了生たちの熱心なプレッシャーに押されてね」と笑顔。会社勤めの時、町田は帰って寝るだけの場所だった。「自分の住む場所なのに何も尽くしていない」と感じ、退職後、同センターに登録。公園除草など、地域のための仕事に精を出す。
○…東京・神田生まれ。戦時中に北海道小樽市に引越し、高校卒業まで過ごした。父親は日本画家。物ごころついた頃から、いろいろな絵を描いては褒められ、また展覧会などにもよく選出された。「3人兄弟だけど、僕が一番父親の血を引き継いだかな」。周りの人からも高い評価を受けた。それは大学進学のため上京する際に、古道具屋に買い取られるほど。「何千円だったかで売れたんだ。初めて自分の描いた絵がお金になって、それは驚いた」と振り返る。絵を生業としている現在の出発点だ。
○…社会人になり本気で絵画に取り組んだ。勤める会社のグループ展に出展し、何度も入選した。結婚し、子どもが出来てからも出かける先で写生やデッサン、写真に収めて絵を描いた。管理職になり多忙で絵を描けなくなるまで続く。部下の結婚や引越しの度に「持っていかれて、当時の絵は一枚も残っていないよ」と苦笑する。描く絵は様々。パステル画だけでなく、油絵、水彩、アクリル、幅広く何でもやった。水墨画も習わずに描けた。風景画から人物、大学で政治学を学んだこともあり、社会風刺の絵も好んで描いた。
○…パステル画は「簡単だが奥が深い」と話す。繊細な色使いに、時には指を使って表現を広げていく。「今教えている人たちはみんな高齢者だけど、私より年下。講師ということもあって、頼りがいを感じてもらえるよう、無理して強がっているよ」と、やりがいを力に変えている。
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