養殖の成功が難しいとされるサンゴ(ミドリイシ)の飼育に玉川学園高等部・中学部(小原芳明学園長)のメンバーが成功した。2011年から研究をはじめ、大きく成長したサンゴをこのほど、故郷である石垣島の海へ移植した。
文部科学省指定のスーパーサイエンススクール(SSH)である玉川学園は、環境問題や乱獲などでの生態系の破壊が問題となっている「サンゴ」を研究課題としている。
「世界的にも貴重な財産であるサンゴを研究することで、自然環境問題について理解し、様々な行動を起こすことができる児童・生徒に」との思いで、2011年からサンゴ移植プロジェクトが始まった。「石垣島のサンゴを自分たちの手で大きく育て、石垣の海に還すこと」を目標に、現在同学園の小学5年生〜高校3年生の児童・生徒26人が携わる。サンゴは八重山漁業協同組合観賞用漁業部会サンゴ養殖研究班(以下同組合サンゴ養殖研究班)の協力により提供された。
失敗の連続
学内でサンゴの飼育活動に加え自然環境に関する研究活動を実施する中、「提供されたサンゴは半年もしないうちに死に絶えてしまった」と同学園。水槽内のコケの発生や照明の強弱が、サンゴの繊細な生態系には大きく影響した。
成功への道のり
それでも、同組合サンゴ養殖研究班の協力や、熱帯魚などの専門店、大学教授など様々な専門家からアドバイスを受け、また、石垣島など実際にサンゴの生息地に研修に赴き再度情報を収集するなどし、環境を整えていった。水槽内のヤドカリ等の生体は石垣島のものに限定し、より自然環境に近い形を作った。
飼育環境の強化により、研究を始めて5年たった今年10月2日、玉川学園で育ったサンゴを石垣島の海へ還すことに成功した。
今後、児童・生徒は研究成果の報告を関東近県のSSH指定校が集まる研究会や玉川学園展(文化祭)で発表する予定。研究テーマは「なぜ、サンゴの保護が必要なのか」「なぜ、サンゴの成長に光が必要なのか」「なぜ、サンゴは満月の前後に一斉に産卵するのか」「海のサンゴと水槽のサンゴは何が違うのか」「サンゴの固定方向による成長の変化はあるのか」など。
問い合わせは玉川学園教育企画部広報課【電話】042・739・8710へ。
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