第22回町田市菊花展を開催した同展実行委員会の委員長を務める 小山 富美男さん 常盤町在住 75歳
花咲かせ、こころ通わす
○…「今年は昨年より100鉢も多いよ」と顔をほころばす。忠生・鶴川・南地区のグループからなる町田市菊花展実行委員会。自身が所属する忠生菊花会では、日本を代表する品評会でたくさん大賞を受賞している「先生」に指導を受け、会員の作品の質が上がった。「それも出展が増えた一因だね」。まだ20代の頃、父親の影響で木の盆栽を始めた。主に松や雑木を育てていたが、菊の盆栽にも手を出したことが菊づくりに熱中するきっかけ。同展には第1回から携わっている。
○…常盤町で生まれ育つ。高校卒業後、大学進学の夢もあったが、家を支えるためもあり就職。新聞を印刷する輪転機に携わる部署で、今のオフセット印刷の基盤になるような特許を取得。またコンピューターが広まり始めた時代にハードとソフトを勉強し、「マシン語」も読み解ける。「細かい作業がもともと好きなんだよね」。その腕は、今に活かされている。
○…菊も”生き物”。「手をかければかけた分、良い姿になり、良い花を咲かせてくれる。放っといたらダメになる。人間と一緒だね」。もはや趣味というより生活の一部になっている菊づくり。ものによって成長するまで丸一年や二年かかるものも。毎日手をかけなければならないため「旅行に行けなくなっちゃって悪いなと思う」と、太極拳を楽しんでいる奥さんを気遣う。「でも、お互い好きなことをやっているからちょうど良いのかもね」
○…「ボケ防止にもなるし、足腰の鍛錬にもなる」と菊づくりの魅力を語る。「花を咲かせることはもちろん大事だけど、それよりも大切なものを与えてくれるよ」。それは人の「和」。共通の趣味を持つ、気の合う仲間の輪が菊によって結びつく。「年に一度、この展覧会が終わったらみんなで全国的に有名な菊花会の会場に研修旅行に行くんだ。そこで、勉強して、温泉に入って、お酒を飲んで。それも楽しみ」
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