鶴川ショートムービーコンテスト〜グローイングアップ映画祭でグランプリを受賞した 安本 浩二さん 大蔵町在住 43歳
想いを表現する楽しさ
○…「コンテストに応募したことが無かったので、驚きました」。震災後の4年間を犬の生活を通して被災者やボランティアの人々を描いた。今年6月のある2日間、自ら福島に行き、そのときの様子をビデオカメラに収めた。収録した動画を必要な部分だけつなぎ合わせると40分以上。コンテストの規定に合わせて15分以内に編集した。「伝えたいことだけを残して、後は削り取る作業。できるだけシンプルにして、思いを伝えられるようにした」
○…世田谷生まれ。プラモデルを作るのが好きだった。音楽も好きで小学校ではトランペットを担当し、オーケストラで全国大会にも出場した。脚本家の父親の影響もあり、小学3年生のころからコマ撮りで撮影していたという。初めて撮った映画は高校1年のときの文化祭。友だちと2人で脚本を書いた。クラス替えのない学校で2年生のときも同じクラスメートと文化祭で映画を撮った。「1年生のときより、いい作品ができたので、3年生でより完成度の高いものにしようと思っていたんだけど」。最後の年は女子の反対にあい、飲食店を出店した。
○…「この職業を選んだら、親の葬式に出られないぞ」。大学時代も映画製作に打ち込み、助監督として商業映画の世界に足を踏み入れていた。進路を決めるとき、父親から言われた一言。それでも映画の道を進んだ。「4年前、父親が死んだとき、やはり葬儀には出席できなかった。俺への心の負担を減らしてくれるために、父は言ってくれたんだろうな」
○…現在は教養番組などを扱うテレビディレクターとして活躍する。「撮ってきた題材をつなぎ合わせて一つの作品にする『編集』が好き」。初めての応募で評価され、「自分で撮影して編集する楽しさを久しぶりに味わえた。今後は、そういう時間をしっかり作って、『自分の撮りたい』ものを作品にしていきたい」と抱負を語る。
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