町田市と相模原市は12日、首都直下型地震など大規模地震が発生した際、公共交通機関が使えないために発生する「帰宅困難者」を想定した初の合同訓練を、JR町田駅と近隣のホテルなどを会場に行った。今回の訓練は両市が結んだ災害時の相互応援協定に基づき、両市が連携し避難者を安全に待避所まで誘導することを目的に実施された。
2011年の東日本大震災発生時、首都圏を中心に公共交通機関を使用しての帰宅が困難となり、多くの駅で混乱が生じた。この結果、首都圏の自治体などでは帰宅困難者対策の重要性が認識されるようになり、両市でも11年以降、帰宅困難者が一時的に滞在できる大型施設の確保や駅周辺での訓練を個別に実施していた。JR町田駅については、これまで町田市が主導で取取り組みを進めてきたが、大規模災害発生時に同駅で予想される帰宅困難者が1万2千人に及ぶことや、同駅が市境に位置することから、両市の連携を図る上で、合同訓練の実施が検討されていた。
当日は、周辺自治体の会員など約100人が帰宅困難者役として参加。午後1時に東京都北部を震源とするM7・3の地震が発生し、両市周辺では震度6弱の揺れを観測した状況を想定して実施された。参加者は駅構内で市職員より一時滞在施設が示された地図を受け取り、待避所に指定された「ホテルザ・エルシィ町田」(町田市)と町田駅南口に位置する「ホテルラポール千寿閣」(相模原市)にそれぞれ誘導された。エルシィ町田のロビーでは、参加者は受付票に氏名や住所などを記入し、電車の運行再開が連絡されるまでの一時間を広間などで過ごした。その間、東京都の消防職員からAED(自動体外除細動器)の使用方法などのレクチャーを受けた。
両市によると、合同での帰宅困難者訓練は来年以降も実施する予定。次回以降、障害を持った人への対応なども加えていく方針だ。
町田版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|