町田市のIT会社と臨床心理士が共同開発したスマートフォン対応のロールプレイングゲーム『エトニア辺境討伐記』が7月27日、2016年町田市トライアル発注認定商品に選ばれた。重要なメンタルケアにゲームの遊び要素が融合したゲームアプリが町田市から誕生した。
2015年12月から労働安全衛生法の一部を改正する法律が施行され、従業員50人以上の法人は「ストレスチェック」の実施が義務付けられた。ゲームアプリ「エトニア辺境討伐記」はストレスチェックに加えてメンタルケアの手法を学ぶことができるアプリとなっている。多数存在する「高ストレス状態」や「軽度の抑うつ状態」の人たちをターゲットとし、重症化を予防することを目的としている。
開発したのは町田新産業創造センターに入居するIT会社・(株)ブリッジ(川村真也代表)。同じく入居者である臨床心理士・植田健太氏が監修を務めて同アプリが誕生した。
社会保険労務士でもある植田氏はセミナーや講演で、企業などにストレスチェック導入を啓蒙してきた。植田氏の話に興味を持った川村代表が「ゲームに取り入れることで気軽にメンタルケアができるのでは」と植田氏に監修を依頼し、同アプリの開発が実現した。 治療やカウンセリングの現場で実際に用いられている『認知行動療法』の理論や方法を、「ゲームで遊ぶ」というシステムに取り入れて融合させたゲームアプリ。ロールプレイングゲームの中で冒険や戦闘などの試練に直面する主人公のキャラクターにユーザー本人を投影させ、その試練を疑似体験することで、ストレスやうつ病の原因となる「認知のゆがみ」を理解し、自分自身を見つめ直すことができるというもの。ほかの登場人物などと行う選択肢式の会話は、療法の「5つのコラム法」をアレンジしたもので、カウンセリングの効果が見込まれる。「会話の内容やシナリオ作りの段階から苦労しました。まず自分たちがメンタルケアの勉強をしないといけなかった」と川村代表。
町田市トライアル発注認定制度は、市が優れた新商品であると認定することで信用度を高め、販売実績がないために販路の開拓が進まない中小企業者を支援するもの。2013年に創設され、このゲームアプリととも認定されたニューロネット(株)(南成瀬/前川博文代表)の2商品、プライベートクラウド型Web会議システム「サースボード」と、映像型コールセンターシステム「モシモシインタラクティブ」を合わせると19商品となった。
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