シェアハウスを案内する女性職員たち
子育てと就職の両立―。「働きたいけど子どもの世話が忙しくて…」「子どもを保育園に入れたいけど、働いていないから入れられない…」。多くのシングルマザーが持つ矛盾した悩み。一方、介護業界全体で社会的問題となっているのが『人材確保』。それらをまとめて解決する、社会福祉法人合掌苑（森一成理事長）の新たな試みが注目を浴びている。
町田市南圏域を中心に介護サービス事業を運営する社会福祉法人合掌苑はこのほど、一般社団法人ペアレンティングホームと協同で、全国で初となるシングルマザー専用シェアハウス型社員寮『ペアレンティングホーム合掌苑』を町田市金森に設立した。
シングルマザーにとって賃貸物件を借りることと子育てに理解のある職場を見つけることは大きな課題となっている。合掌苑の担当者は「１２０万以上の世帯がシングルマザー家庭であり、かつその数は年々増えている現実の中であっても、いまだシングルマザーに対する社会の目は厳しいと言わざるを得ません」と話す。さらに今後、団塊の世代が介護施設を利用するようになる中で、施設の拡充とともに現場で働く人材の確保と離職率の低減が喫緊の課題となっている。
そこで、女性が働きやすく、妊娠・出産した後でも離職することなく働き続けていける職場環境を整えている合掌苑は「女性が活躍できる社会に寄与するともに、シングルマザー家庭が持つ課題を解決し、しいては人材確保にもつながる」と考え、このペアレンティングホーム合掌苑を整備するに至った。「単なる母子支援施設ではなく、社員寮です。長く働けるよう、常勤・非常勤など働き方も選べるようにしています。また、子どものことだけで一杯一杯にならないよう『チャイルドケア』にも力を入れるなどサポートしていきます」
２階建てで11・５畳の個室が５部屋。リビングダイニングとキッチン等共同部分あり。共同生活が合わなかったり、自分で生計が立てられるようになったら移れるようにアパート型の社員寮も完備されている。
合掌苑はこれまでにも女性が働きやすい職場づくりを推進しており、２０１５年には東京都女性活躍推進大賞で優秀賞、町田市の仕事と家庭の両立企業賞を受賞している。詳細問合せは、合掌苑就労支援担当【電話】０４２・７９９・１１３０へ。
各家族が団らんできる明るいリビング
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