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国際版画美術館「HANGA JUNGLE展」 横尾忠則氏独占インタビュー 頭を空っぽにして楽しんでほしい 約250点が展示室を埋め尽くす

文化

掲載号:2017年5月4日号

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横尾忠則氏=都内アトリエにて(4月20日撮影)
横尾忠則氏=都内アトリエにて(4月20日撮影)

 美術家の枠に収まらない縦横無尽な創作活動を続け、世界的な評価を得るアーティスト、横尾忠則氏。これまで制作した新作を含む全版画250点を展示する大回顧展が町田で行われている。80歳を超え、いまだ衰えないその創作意欲。展示会開催を前にアトリエを訪ねると、作品に対する思いや楽しみ方を本紙読者のために語ってくれた。

◇◇

 ―今回の回顧展には巨大なもの、絵画やポスターのようなものが並びますね

 初期の作品を含め、自分の版画全作品を集めてこうした展示会を行うのは初めてのこと。これだけの規模のものは、もう二度とやらないだろうと思う。

 ―横尾さんにとっての版画とは

 僕自身、自分のことを版画家だと思ったことは一度もない。グラフィックデザインや絵画を長くやってきて、たまたま作った版画が海外で大きな賞を受賞して。あえて言うのであれば、自分が作りたい物を表現するための一つの手法かな。

すべての作品は未完成

 ―版画のイメージを変えてしまう、型にはまらないさまざまな作品が並びますが

 僕の作品はすべて未完成。描いていてゴールが近くなり、完成の形が見えてくると、そこでやめてしまうんだ。

 ―完成させないのですか

 子どものころからあきっぽいというのもあるんだが、自分にとって完成品というのは窮屈というか、重いんだ。作品が「どうだ、見たか」と迫ってきている気がして。どこかに隙間や逃げ道がないとね。ときには制作過程で横道にそれて”間違って”完成させてしまうこともあるんだけど、そういうときはわざと塗りつぶしたり、後から描き直している。それに僕の場合、最後まで行かない(完成させない)部分が次の作品への意欲につながっているんだ。妻の料理も全部食べられるのにあえて残してる。猫みたいだって言われるけど。

自由に描いているから見る人も自由に見てほしい

 ―どういったところを見てもらいたいですか

 感じるままに。日常から逃避して頭を空っぽにして楽しんでくれればいい。「これは何を意味している、これは何だろう」とは考えない。僕自身何も考えずに書いているのだから。(猫の絵を指さし)あれを見て犬だと思う人はいない。猫は猫。かわいいとか、怖いとか思うのは見る人の自由だし、それでいいのだと思う。例えば、(人の顔が青く塗られた別の絵を指さし)あの絵の人物の顔が青いのはなぜか。描いた僕にもわからないんだ。だから作品を前にあれこれ考えなくていい。意味を考えないで。僕はそこに意味を求めて描いてないから。

 ―最後に読者に向けてメッセージをお願いします

 僕にとって絵を描く作業は頭を解放して楽しむことなんだ。気分転換といってもいい。絵を描いているときは精神を解放し、近くの緑が多い公園を散歩するときは肉体を解放している。芸術とは本来、人間を自由にしてくれるものなんだと思う。僕の作品は自然の中で緑や風を感じるように、そのときの気持ちのままに感じてほしい。(芸術作品は)理屈で見るものではない。この回顧展には教養とか知識といったものはいらない。学びにくるのではなく、心を解放して思うがままに楽しんでほしい。胸襟を広げて感じてもらえたらそれでいい。

◇◇

【横尾忠則「HANGA JUNGLE展】

 6月18日(日)まで、町田市立国際版画美術館で開催中。版画の枠を超えた横尾忠則の作品群を「HANGA」と称し、1960年代から最新作まで約250点を展示して、作品の全貌が明らかになる大回顧展。一般800円、大学・高校生・65歳以上は400円、中学生以下無料。平日は午前10時〜午後5時、土・日・祝日は午前10時〜午後5時半(入場は終了時間の30分前まで)。月曜休館。町田市原町田4の28の1。問合せは【電話】042・724・5656町田市イベントダイヤルへ。
 

≪ターザンがやってくる(緑)≫1974年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)
≪ターザンがやってくる(緑)≫1974年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)

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