11月21日に新庁舎に移転する町田消防署の署長を務める 水野 晋一さん 金井在住 56歳
災害に強い、安全安心の町に
○…現庁舎の老朽化に伴い、本町田の新庁舎に移転する町田消防署。2年前に署長に就任。管内面積が広く、消防出張所数が多い署で約340人の署員を束ね、様々な災害から市民を守る。新庁舎は約8000平方メートルの広い敷地に、建物は免震構造。地下には100トンの防火水槽を設置し、各種訓練が可能な訓練塔や消防隊と消防団の連携訓練スペース、市民が利用できる訓練施設が設置され、「消防活動だけでなく、防災の拠点としても期待される」と、気を引き締める。
○…「偶然にも」町田出身。金森で幼少期を過ごし、小学校時代に森野に移り住み20歳まで暮らした。「町田はいい街ですよね。都会と自然が融合していて。帰郷したら、こっちの消防団に小学校の時の同級生がいいてびっくり」―。40年ぶりの再会を喜んだ。5歳の頃、境川が氾濫し、自宅が床上浸水した。その時、自分と3歳の妹を抱えて高台に避難してくれたのが消防団の人たちだった。「深い絆を感じますね」
○…「一生懸命」がモットー。大学生の頃に交通事故現場に遭遇。うろたえている運転手に「しっかりして」と声を掛け、出血して倒れている被害女性に自分のジャンパーを掛け、救急車が到着するまで励ました。「迅速に動けて、消防官に向いているのかなと感じました。あの時通りかからなかったら、今の自分はいなかったかな」と振り返る。
○…年間8〜10件ほど、救命や救助に対しての感謝状を贈るという。防災訓練にも数万人規模で参加がある。市民の防災意識は高い。しかし、火災件数が都内の中でも多く、「昭和41年以降、100件を下回ったことがない」と眉間にしわを寄せる。「今は昨年の同時期に比べて10数件少なく、このままいけば100件を下回れる。新庁舎に移る年。なんとか100件未満に抑えたい。そのためにも署員一丸となり、防火・防災の普及活動に努めたい」と力を込めた。
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