町田版 掲載号:2018年1月1日号
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『伝える』とは何だろう 『伝える』ことは『聞くこと』 ギタリスト 菅沼聖隆

文化

 高校卒業後、スペインを拠点に活動中。昨年10月にはセビーリャ国際ギターコンテスト2017で優勝した。1歳のときからギターをおもちゃにしていた。高2の時、クラシックギター界の登竜門3大コンクール「ジュニア」「GLC学生」「スペインギター」で日本一に輝いた。現在21歳。

 メロディーを引いているとギターの音色が「人の声」に聞こえてくるという。繊細な音色は対話しているように感じる。その声は作曲者の声とも、演奏者の声ともいえる。「ただ弦を弾いているだけでは、その声は聞こえない」

 偉大なる作曲家たちが曲を生み出してきた。演奏家はその世界観を再現する。「練習はもちろん必要ですが、それだけは表現できない。練習は補佐的なこと。作曲家のバックボーンを知ること。そしてそれを感じる心を持たないと、その音色は出ない」

 クラシックギターは「小さなオーケストラ」とも言われる。弾き方を変えればいろいろな音を奏でてくれる。「恋人に囁くように、友だちと楽しむように、知人にかしこまるように…」。弾いている人の心をギターは表現する。「無表情で弾けば、無表情な音が出ますよ」。装飾を排したクラッシックギターは、その人自身をそのまま表すという。

 自分自身も作曲をする。作曲をするようになって、変わったことがあるという。「人の話を聞くようになった」。『伝える』ということは『聞くこと』という。聞くとは、好きな音楽を聴くのはもちろん、嫌いなものも聴く。「なぜ嫌いなんだろう」と自問自答する。自分にも聞く。ドアが閉まる音、風が流れる音、電車は走る音、笑い声…、生活の中にある”音”を聞いて、曲が生まれる。「スペインで暮らしているとスペインの音があるんですよ。やっぱり日本と違うんですね。西洋には西洋の風の音があって、東洋には東洋の風の音がある」

 演奏して成功したなと思う時がある。うまく弾けたというより、聴いてくれた人と『共感』できた時。演奏を成功したというより、『伝わったんだな』と思う時がうれしい。演奏には、その人すべてが出る。これまで練習してきたこと、自分が経験してきたこと、感じられたこと、生活してきたこと。「菅原聖隆が演奏に出るんですよ。逆に言うと僕の全てしか表現できない。僕が体験したこと、経験したことがそのまま演奏になる。クラシックギターは僕を伝える楽器」
 

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