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あれから7年忘れない東日本大震災 続ける 被災者の「心の支援」 桜美林大学3年 前島一成(いっせい)さん

社会

掲載号:2018年3月15日号

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 「復興は着実に進んでいる」。そうした報道を目にするたび、もやもやした感情を覚える。たしかに町は少しずつかつての姿を取り戻しつつある。ただ、自身が被災地を訪れ感じるのは異なる印象。「被災者の心の復興は終わっていない」

 桜美林大リベラルアーツ学群3年。大学では学生ボランティア団体に所属している。震災後、何か行動に移せないかと考える中で、大学に入学してすぐ現在の団体の活動を知る。迷いなく入会を決め、2015年、被災地へと初めて赴いた。

 仮設住宅に住む地域住民との交流、子どもたちとの触れ合い。現地では被災者に心と心で向き合う。高齢者宅での畑仕事の手伝いも大切な活動の一つだが、現地で活動する時間のうち、この農作業には半分ほどしかあたることができない。「休憩しよう」「お茶っこしよう」と呼び止められるためだ。「震災のこと、それとは関係の無い話、そんな会話を一緒に楽しむことが何より大切なのかなと思う」。初めてボランティアで現地を訪れた日は、今でも鮮明に心に残る。それまであったはずのものが無く、ただ「土台」だけ残る荒れ果てた地。この中でちっぽけな自分に何ができるのか、そう無力感に打ちひしがれた。最終日、そんな中で受けたのは「来てくれてありがとう」の言葉。ボランティアは「責任もある程度しかなく、その場の出来心で活動する人も多い」。そうした人を何人も迎える中で、それでも「ありがとう」と言ってくれる。嬉しさと申し訳なさが入り混じる感情を覚えつつ、活動の継続を決意した瞬間だった。

 印象深い出来事がある。震災で家族を亡くした被災者と話をした時のこと。その人は震災について「あんなことが無ければ」と感情をたかぶらせた。同時に、「震災が無ければ今の自分は無い。家族を失ったことに変わりはないが、ボランティアの方とも関わることは無かった。色々な人と出会えた」、そうも話したという。「震災がもたらしたのは悲しみだけではない、涙もあるが、笑顔もある」。所属するボランティア団体では、こうした現地での実情や活動報告についてイベントなどを通じ学生らへ発信。学内の「復興支援カフェ」や学祭では、被災地の農産物を使用した芋煮や菓子の提供、原発を題材にした映画上映も行うなど活動は多岐にわたる。そして自らの経験をもとに、今後は個人としても、活動に関するマニュアルブックの製作をスタートさせるつもりだ。

 活動を通じて感じたのは「7年経っても震災があったこと、家族や故郷を失ったことに変わりはない。心の復興には時間がかかる。どこかで区切りにせず寄り添う支援を行うことが大切」ということ。一方で被災地にはたくさんの笑顔の花が咲き、力強く前を向く人がいることも目の当たりにしてきた。「そうした事実を知ってほしい、感じてほしい」。活動で出会った大好きな被災者やその町のこと。これからもそんな被災地のありのままを自分たちの言葉で発信していく。

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