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町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の56

掲載号:2020年4月16日号

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喬木(きょうぼく)

 喬木とは、雑木林などで1本だけ飛び抜けて大きく育っている木のことを言う。また、同時期に落ちた種が揃って発芽しても、なぜか成長が他の兄弟より速いものがある場合を言う。これを人になぞらえて、同じ頃に生まれても飛び抜けた能力を発揮して出世する例えにもなっている。

 数年前、多肉植物を部屋に置きたくなって、先のことも考えず小さな鉢のコダカラソウを購入した。コダカラソウはベンケイソウ科カランコエ属にあって繁殖力が旺盛な種類だった(と後から知った)。大小に関わらず葉の縁に子株が並び、それがポロリと落下すると高確率で根付く。あっという間に鉢は子株に埋め尽くされ、鉢の土が見えなくなるほど押し合いへし合いの大盛況になる。春から秋までは外に出しても大丈夫だが、季節問わず子株を落とすから近くの鉢にもたくさん根付いてしまう。ただし南方系多肉植物だから冬には滅法弱い。

 さて、一斉に落ちた子株の中にも他を出し抜くように育つ株がある。同じ鉢の上で同じ気候、環境で育ったのに何らかの遺伝的な素質があったに違いない。さらにひとたび他より頭一つリードすれば陽の光も他より浴びることができるようになってグングン伸びる。根も育って土の養分も独り占め。かくして同時に生まれた仲間とは思えないほど大きくなる。それでも子株を葉の縁につける繁殖方法は変わらないが、背が伸びて葉が大きくなればより広範囲に子株を落とせるリーダーとなったわけだ。これも人になぞらえてみれば当てはまらないこともないが、人には大きな違いがある。素質を持っていても伸び悩む者や素質や才能がなくても努力でリーダーを追い越す者がいる。サラブレットよりもたたき上げの苦労人の方がリーダーとして相応しく、信頼されるということもある。ただし、コダカラソウのリーダーはひたむきに同族を繁栄させることに迷いがないが、人間のリーダーは失態の指摘をのらりくらりとかわして居座る。公的資金の流用・悪用・無駄遣いを部下のせいにする。昭和的表現だが、レコード針が飛ぶように「記憶にございません」を繰り返す。憤りを感じつつ否定できない言葉がある。「権力は嘘をつく」
 

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