町田版 掲載号:2020年8月20日号 エリアトップへ

町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の63

掲載号:2020年8月20日号

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励まし

 金森のある林地沿いに鬼百合(オニユリ=写真【1】)が群生している。梅雨明けの頃、見事に咲き誇って楽しませてくれる。鬼百合と小鬼百合(コオニユリ)はよく似ているが、小鬼百合の方が少し花が小さい以外に決定的な違いがある。鬼百合には葉の生え際に黒茶のムカゴ=同【2】=が並んでいる。小鬼百合にはない。ムカゴは山芋同様に地面に落ちると発芽する。うまく育って3年くらい経てば花をつける。残念ながら私の花壇(やぶ)には鬼百合がない。あるのは近年様々なところに勝手に生える白い高砂百合(タカサゴユリ)だけだ。

 当社境内地に毎年1本だけ夏水仙(ナツズイセン=同【3】=が咲く。ここ数年ずっと1本だけ。水仙といっても水仙の仲間ではなくヒガンバナ科で、いわゆる相思華(そうしか)だ。花と葉は互いを知らず、花は葉を思い葉は花を思う。しかし彼岸花は九月の彼岸頃に咲き、花が終わると葉が噴き出すが、夏水仙は春に葉が噴いて枯れてから、何もない地面から花が空を目指して突き抜けるように咲く。丈も60〜70cmと大きいが、花はやさしいピンクだ。

 シャコバサボテン=同【4】=は寒さに弱い多肉類。冬に咲くことからクリスマス・カクタスとかデンマーク・カクタスというしゃれた名で売られているが、葉がシャコの背中に似ているからシャコ葉なのだろう。近縁にカニバサボテンもある。冬に咲くわりには多肉植物だから霜に弱い。暖かくなったら毎年外へ出す。一昨年、その鉢に百合らしきものが芽吹いて、冬の室内でシャコバサボテンが賑やかに咲く傍らに居候。そのままにしておいたらとうとう花をつけた。どうせ高砂百合だろうと決めつけていたら、なんと鬼百合だった。つまり3年くらい前の夏、外に出していたシャコバサボテンの鉢に鳥が鬼百合の種を落としてくれたということなのか。

 梅雨明けを待ちきれずに今年も夏水仙が地面を突き抜けて咲いた。すると、隣に少し遅れてもう1本。何年も1本だけだったのに、とうとう球根が分かれたらしい。

 第二波と思われる感染者の拡大を受けて、神社は密を避けるため社殿内の祈願(お祓い)を再停止し、祈願者が参列しない預かり祈願だけにした。七五三や正月の事を考えると頭が痛い。密を避ける方法なんてあるのだろうか。そんなこんなで日々沈みがちな心をまるで見透かすように、鬼百合と夏水仙が頑張れと元気をくれている。
 

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