ストリートピアノのユーチューバーとしてデビューした 楠 絵里奈さん 市内在住 25歳
思いは音に気持ちは人に
○…逆境にも負けない強さがある。ピアニストにしては手が小さい方だが、だから出せる音があると自負する。「手が小さくてもこんな風にたくさんの曲が弾ける」ということを多くの人に知ってもらいたい。そして、それはピアノ講師として教える小さい子どもたちへの指導にも活かされている。才能よりも努力でここまで来た。できるという勇気を与えたい。
○…コロナ禍で活動はこれまでと一変。「だったら新しいことを始めよう」とネットでの動画配信を思い立つ。自由に弾けるストリートピアノは自分の殻を破り世界を広げた。クラシックを中心に、場所や観衆によりジャンルも変える。
○…町田出身で今も市内に暮らす。3歳のとき、習い事としてピアノを選んだ。父の仕事の関係で中学時代を上海で過ごす。海外でもまれ、自分を主張する大切さを学んだ。あいまいだった気持ちが固まり、ピアノの道を歩むと決意。受験のため両国を行き来し、敬愛する講師がいた桐朋女子高校音楽科、同大音楽学科ピアノ専攻へと進む。自信になったのが「かやぶき音楽堂国際デュオコンクール」でのグランプリ受賞だ。
○…「譜面は暗記し、けして楽譜を見ない」。人前でピアノを弾くときに自分に課しているルール。楽譜を目にすると、どうしても気持ちがそこに向かってしまう。鍵盤の上に指を滑らせ、思いを音に乗せても、気持ちは耳を傾けてくれる人たちに向いていたい。自分にとってピアノとは「言葉のいらないコミュニケーション」。つらいとき、悲しいときも音楽は人々の心に安らぎを与えてくれる。動画配信は全世界へつながる新たな扉。自分のピアノが誰かのよりどころになれるかもしれない、そう信じて奏でていきたい。
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