コロナ禍で子育ても孤立化しがちな中、本を通じて言葉を贈り合う関係を築く新たな試みが始まった。子育て雑誌のかつての読者だった先輩ママ・パパが、現在小さな子を育てるママ・パパに雑誌を贈呈することで支援しようとする活動。雑誌を発行する(株)ジャパンマシニスト社(能ヶ谷。中田毅代表)が仲介し、両者をつなぐ役割を担う。
子育て雑誌「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」と「おそい・はやい・ひくい・たかい」は、子どもの体や学校教育に焦点を当てた内容で3カ月ごとに年4回発行。長く愛読してきた読者が、経済的に余裕のない現役子育て世代や親子の居場所、保育園、公共施設などに雑誌を寄贈する「あしながブックサポーター」プロジェクトがスタートした。贈呈を受ける側の条件は一つだけ。児童小説「あしながおじさん」の主人公「ジュディ」と同じように贈り主へお礼の言葉を送ることだという。
支援の声が全国から
取組むきっかけは経済的理由から雑誌の購読を休止する読者が増え、ピーク時には1〜2万人いた定期購読者が4分の1程度まで落ち込んだこと。昨年秋に継続刊行の危機を訴えると、個人や図書館の司書など多くの人々から支援したいという声があがり、支援金も集まり出した。これをもとに「読者による読者のための企画」を立ち上げ、子育てに日々奮闘する保護者を応援するプロジェクトとして、旧読者が購読料を負担して現役ママの子育てを支援する。
命をつなぐ綱に
「創刊から約30年、多くの読者から信頼され、さらにその読者から次の世代にこの雑誌を引き継ぎたいという熱い思いが寄せられています」と中田代表。「ワンオペ育児」などの言葉が一般に浸透し、子育て世代がますます孤立する今、子育てを終えた世代からのこうした本の贈り物が応援するメッセージとなって命をつなぐ綱になるのではと考えている。
プロジェクトを広げるためのクラウドファンディングを準備しているほか、贈呈先も募集中。問合せは【電話】0120・965・344または【メール】info@japama.jpへ。
町田版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|