中央大学多摩キャンパス(酒井正三郎学長・東中野)に通う学生有志が現在、同大学内に期日前投票所を設置しようと八王子市等と交渉を重ねている。20歳前後の若年層が集まる大学内に投票所を置くことで、若者の政治への関心や投票率の向上につなげたい考えだ。
学生有志によって立ち上げられた団体は「Vote at Chuo!!」(中央大学で投票をしよう)=左写真。投票所の学内設置に賛同するメンバーの集まりで、法学部政治学科2年の古野香織さんが4月、ツイッターなどのSNSを使って呼びかけた。
学内に期日前投票所を設置するためには、八王子市選挙管理委員会や中央大学の承認を得る必要があることから、同団体は現在、同管理委員会担当者や市議会議員らから設置のためのアドバイスを聞いたり、大学内外でPR活動をしている。
行かない理由8割「時間」「場所」
古野さんは「2016年夏に行われる参議院選挙での実施を目指しています。選挙権が18歳まで引き下げられて行われる初めての選挙。若者の投票率アップに貢献したい」と話す。
「社会保障制度など、将来の自分に関わることが、自分の知らないところで決まっていることに恐怖心を抱いた」。古野さんが高校時代、何気なく見ていたTVのニュース番組で自分の知らない法案が可決されたと聞いて怖くなったのが、この取り組みの原点にある。「今、国ではどんなことが起きているのだろう」。このことがきっかけで昨年から、大学で政治を学び始めた。そして、12月には1人で活動をスタート。衆議院解散総選挙後、無作為に選んだ中大生200人を対象に同選挙に関するアンケート調査を実施。結果、「投票所が遠かった」「時間がなかった」など、選挙に行かなかった理由に時間と場所を挙げた学生が8割以上だった。しかし、中大内に投票所があったら投票に行くと回答した学生も8割を占めたことから、同世代の投票率を上げ、若者の声を国の政策に反映させるには、「学内設置」が近道と古野さんは考え、仲間を集め今回の取り組みを始めた。
険しい道のり
だが、道のりは困難だ。「Vote at Chuo!!」の相談を受けた市選挙管理委員会は「高齢者や障害者など選挙に行きたくても外出が難しい方々に対応することの方が優先順位は高い。市は学園都市を掲げており学生の皆さんを応援したい気持ちは強いが」と困惑気味。「これまで政治の話を友だちとすることはタブーな雰囲気もあったが、これから学内で模擬投票を行うなど、活動を通してその雰囲気を変えていきたい」
古野さんたちの挑戦は始まったばかりだ。
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