総人口に占める65歳以上人口の割合=高齢化率が今年度、全国で26・0%(前年25・1%)とこれまでで最も高い数値を記録する中、市内でも高齢化率が高い(27・2%/2011年)と言われる「めじろ台地区」では、健康をテーマにした住民組織「安心ねっと(嶺学代表)」が活動の輪を広げている。地元の病院とも連携し、新しいつながりを生んでいる。
「めじろ台安心ねっと」は、2008年から活動している住民組織。健康に関する講演会を年に2回実施している。10年から、いざというときに救急隊員に渡すことのできるように連絡先や常用薬を記入しておく「救急医療キット」の普及活動を展開。現在1000弱の家庭に配られているという。
同団体が今年6月23日にオープンさせた「ふれあいサロン」は、地区内にある永生病院(椚田町)の敷地内で3月まで喫茶店があったスペースを利用している。以前から同団体の活動に協力していた同病院がほぼ無料で貸し出している。
サロンは毎週火曜日に開催しており、誰でも訪れることのできる「コミュニティカフェ」のような存在になっている。近隣住民や入院患者の見舞い帰りの人がよく訪れている。1日あたり延べ25人ほどの利用者がいて、パソコンに詳しい人に相談したり、縫い物を手伝ってもらう人もいるという。中にはこのサロンでの出会いがきっかけで知り合い、家を行き来する仲になることもあったそう。
サロンの近くに住んでおり、この日初めて訪れたという土橋幸代さん(87)は午前中に一度来て、さらに話したいと午後再び訪れたという。「インフルエンザの予防接種の帰りに寄ってみた。また来たい」と笑顔。嶺会長は「サロンができたことによって、安心ねっとの会員同士だけではなく、新しいつながりも生まれている」と話す。
「卒業生」の受け皿としても期待
場所を提供している永生病院は同団体の活動に期待を寄せている。同病院では、一般的に「入院は病院」で「外来はクリニック」、その後は訪問看護や通所リハビリと治療段階によりそれぞれの受け皿があるというが、最終的には病院から離れて患者自身で自立してもらうことが目標。しかし、自立といっても行く場所や話す相手がいなければ引きこもりがちになりかねない。同病院では何らかの形で最期まで地域の患者への居場所を提供していきたいという思いがあったという。「地域とかかわれる活動ができればと考えていたところ、互いのニーズが一致した」と同病院。サロンは病院の卒業生の受け皿としても期待されている。同病院では今後、「病院の卒業生が暮らしやすい街づくり」を目指していきたいという。
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