アポロ美容理容専門学校(万町)1年生の柏崎文(あや)さん=写真=は中学2年生のときに岩手県釜石市で被災した。放課後、卒業式の準備をしていたとき大きな揺れを感じて避難。渡り廊下が崩壊するほどの被害があったという。学校は海のすぐ近くにあった。高台に避難したが足元近くまで水が迫ってきて、さらに高い場所へ。途中で母親と合流し翌日、難を逃れて大槌町にある母の実家に一家で身を寄せた。自宅は全壊し、アルバムなどを持ち出すのが精いっぱいだったという。
高校生のとき、親戚の美容師の仕事の様子を見て、髪型を変えることで喜ばれる点に魅力を感じた。「普段の生活では、美容室はそこまで必要と感じられないかもしれない。でも、震災にあったとき髪は伸び放題、シャンプーもできない状況を体験して大切さを感じた」。被災してひと月ほど水道も電気も止まり、髪をいたわることはできなかった。高校を卒業して上京。母親を心配させないように高いビルのある都心を避け、福生市に住む姉と同居している。
地元で開業を
道路のがれきは片付いたが、建物は減った状態。地元の復興はまだ遠い。「卒業したらこっちで学んで、独立できるようになったら地元に戻って働きたい。街に美容室は必要だし」。彼女の中では、自分の進路と復興への道程がしっかりと重なっている。
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