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医療法人社団KNI 被災地にクリニック 「病気にならない」まちづくりを

社会

掲載号:2016年3月10日号

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 北原国際病院(大和田町)などを運営する医療法人社団KNI(北原茂実理事長)は2012年冬、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県東松島市にクリニックを開院した=写真。

 「診療所としては日本一小さいサイズかもしれません。オール木造で居心地の良い空間を作っています」(同病院経営企画室・浜崎千賀室長)。わずか10・52坪の「北原ライフサポートクリニック東松島」(同市川下字内響/内科・脳神経外科)は仮設住宅の敷地内にある。理学療法士が常駐し、主にリハビリテーションサービスなどの医療サービスを提供している。毎週土曜日は八王子から同病院の医師が訪れ、診療を行う。震災前、この地域(野蒜(のびる)地区)には3医院があったが、いずれも津波で流された。

 同クリニックは診療をするだけでなく、「心と体のメンテナンス、セルフメディケーション」をキーワードに出張型セミナーを開くなど地域住民に「病気にならない」体づくりを指導している。「仮設住宅は狭くて寒く、そこで暮らす人は不眠や高血圧の症状の方が多い」そうで、高齢者宅をまわり健康相談なども行う。

 開院当時234戸あった仮設住宅だが、今も「半分くらい」は残っている。震災後2年間ほどは、多くのボランティアが集まったが、昨年くらいからその数は極端に減ったそう。「北原さんもいなくなるんでしょ」。地元の人からそんな不安の声もある。

 クリニックは今後、まちの中心が高台へ移るのにあわせて移転をし、コミュニティの拠点となるような複合施設を建設する計画がある。「被災地には、こどもから高齢者まで、それぞれの願いと鎮魂の心があります。私はここで、日本人の感性と文化を信じた『新しい医療』の可能性を見出したい」とスタッフの伊東秀晃さんは話した。

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