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7月に東急スクエアでクレヨン画の個展を開いた 孫内 あつしさん 椚田町在住 76歳

掲載号:2016年8月25日号

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有終の美めざし 描き続ける

 ○…東急スクエアの11階で7月に街づくりのNPO団体の協力を得て個展を開いた。独特の雰囲気を醸し出すクレヨンによって描き出された作品は多くの人の興味をひいた。その場で電話をして友人を誘う人や、一度帰って家族を連れて改めて来る人など、わずか1日で230人が来場した。誰もが幼い頃に親しんだクレヨンで「こんな絵が描けるんだ」という驚きを感じる人が多かった。

 ○…ねぶた祭りに夏の海や川、冬の雪景色などを題材に、出身地の青森市の子どもの頃の記憶を描いた情緒的な作品が並ぶ。子どもの頃から絵を描くのが好きだったが、本格的に学んだことはなかった。高校卒業後、放送が始まったばかりのテレビ局でアルバイトから入って就職。美術部に所属し、大道具や小道具を手掛けた。「当時はテロップも手書きだった。面相筆の先を切ったもので活字のように書いたものだよ」

 ○…独立志向が強く、30代のときに花形のテレビ局を辞めてバーを開業。クレヨン画にたどり着いたのはその頃だ。偶然手元にあったクレヨンをいたずらに走らせるとその面白みに気付いた。「それまでは自分の絵であっても、どこかで有名画家の影響を受けていると感じていた。クレヨンで描き上げたとき、自分のスタイルが確立できた」。商売は成功もしたが失敗もあった。「店を8軒潰したが、最終的に借金も整理できた」。プロを目指して上京したのは52歳の時だった。

 ○…名前が知られるようになる転換期は10年ほど前。青森県内の廃校の黒板に描いた巨大なクレヨン画が話題になった。以来、毎年描き続けている。パーキンソン病を患っており、「腕も上がりにくくなっている」と少しずつ進行している。しかし、そこに悲壮感はない。商売を通じて気づいた「終わりよければ全てよし」の精神。自分の限界を見つめつつ、クレヨン画で名を成すという目的に向かって走り続ける。

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