八王子版 掲載号:2016年11月17日号 エリアトップへ

30周年を迎えた「八王子・日野カワセミ会」会長を務める 粕谷 和夫さん 天神町在住 77歳

掲載号:2016年11月17日号

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野鳥観察通し、環境「見る」

 ○…バードウオッチングを楽しむ一方、浅川や高尾山など市内を中心とした20カ所で、野鳥の定点観測を会のメンバーと共に30年に渡り行ってきた。「『きょう、鳥たちに起きていることは、あすは私たち人類の問題になるかもしれない』という考えがあるんだよ」と、蓄積した野鳥の動向データを、市民が自分の住む街の環境に目を向けるきっかけに活用してもらいたいと考えている。「データをもたないと説得力がないからね」。その言葉に強い使命感が滲む。

 ○…「こんな綺麗な鳥がいたのか」――。40年近く前に仕事の赴任先で見た「青く輝く」カワセミの美しい姿に一目ぼれした。その後、天神町に居を移し、近所の浅川でその姿を確認すると、居ても立っても居られずに一人で、カワセミなどの野鳥観察を始めた。その活動が口コミなどで広がり会が発足。現在では200人を超えるまでに。会の名前には大好きなカワセミの名を入れた。「30年はあっという間だった。夢中になってやってきたからね」

 ○…「鳥」よりも長く継続している趣味が今年50年目となる合唱団での活動だ。ひとつの音楽をみんなでつくり上げていくことに魅力を感じている。「ベートーベンの楽曲を生オーケストラと共に歌い上げると、日常では味わえない高揚感に包まれる。これを経験したらやめられないよ」。多彩な趣味が視野を広げてくれるのだという。

 ○…現在、30年間に渡って蓄積した野鳥の観察記録を一冊の本にするための編集作業に追われている。「まだデータとしては不十分。百年、二百年かけて集めて、ようやく、環境に関して『見えてくる』ものがあると思う」。そのため、月1回、子どもたちに「観察」を指導する場を設けるなど、後継者「予備軍」へのアプローチを重ねている。人が豊かに暮らすためには、周囲の自然が豊かでないと――。その思いをもつ後継者を生み出すのが今、一番の夢だ。

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