HFA中原会長にきくアイダホ州と交流
米アイダホ州政府幹部と八王子の中小製造業の若手経営者らによる交流会が4月17日、明神町で行われた。経営者らは通訳を通しそれぞれの事業をプレゼンテーション。アイダホ側は関心をもった企業に対しすぐにアプローチ。交流は4時間ほど行われた。「リアルマーケティングの場を体験できれば」。企画したHFA(HACHIOJI FUTURE ASSOCIATION)の中原綱一郎会長(基盤設計(株)テック=高倉町=代表・44)は、交流会における日本側の目的を話す。
HFAは経済活性化組織「サイバーシルクロード八王子」による後継者育成塾「はちおうじ未来塾」の卒業生の集まり。現在90人ほどが所属する。
交流会はHFAのOBで、アイダホに事業所を構える鋳物会社「栄鋳造所」(下恩方町)鈴木隆史社長がきっかけ。現地との関係を築いた鈴木社長の伝手で実現した。アイダホ側は日本企業の誘致などを目的に来日した。
需要と雇用の不安
鈴木社長は昨年4月、需要の発掘と人材確保を目的に「先陣を切って」海外進出を果たした。近くで鈴木社長の姿を見るなかで中原会長は「海外」の必要性を実感するようになった。実際現地に行ってみると「従業員が10人程度の会社でも中国などからどんどん進出している」と危機感が芽生えたそう。
需要については「我々製造業はリーマンショックなど外的要因に経営を左右されやすい。結局下請けなので。一方価格競争に巻き込まれて(国内では)もう持久戦の状態でもある」と不安を抱える。「20、30年後はどうだろう?これからどうやって切り開いていけば?」
雇用についても懸念がある。「これからどこも絶対『人』に困る。中小企業は1人を雇用するのも大変。我々は『一心同体』『ファミリー』のようなもので」
中原会長の会社にはすでに外国籍の従業員がいる。戦略的な雇用をした。「彼らの有能な語学力など利用してマーケットインしてくことができる」。海外での需要開拓も視野に入れた雇用だ。「ただ、そのためには日本人同様に戦力として扱い、条件、モチベーションなどきちんとケアする事が大事と思います。そして教育、マインドセットから海外でやっていかないと。我々側にもそういった心構えが大切」。中原会長は今後に備えフィリピンへ何度も出向き「土壌」を調べている。
気運高めたい
交流会でプレゼンテーションをした経営者らは30代が多く、中原会長の後輩にもあたる存在。「彼らは1度もアイダホへ行ったことがない。そんなメンバーに発表をしてもらった。仲間としてリアルマーケティングを体験してもらいたかった」。中原会長はHFAについて「今後の危機感に対して解決策を考える集まりになるべき」とも思っている。そのひとつが「海外展開」で、中原会長は若手を巻き込みその気運を高めている。
詳しく知る人は「国内市場がどんどん縮小する傾向を見据え、雇用の面や販路開拓のために海外に向けたチャレンジは必須ではないでしょうか。ただ、中小企業の場合は何をどこから手を付けて良いのか、また、その事が後回しになっている企業がほとんどと思います」と話した。
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