先ごろ、「全日本バレーボール高等学校選手権大会」出場を決めた部の主将を務める 住田 帆志乃さん 八王子実践高等学校3年
「不器用に」仲間見守る
○…先月行われた東京都大会決勝。今年一度しか勝利していない宿敵にまたしても惜敗。悔しさしか残らない全国大会への出場権獲得だった。「技術よりも勝ちたいという気持ちで負けている。下級生に負担を与えてしまった。もっと自分が得点できれば」と反省の弁が尽きない。ただ全国大会の話しになると一転、「日本一になります」。意思の強さを感じさせる瞳でそう宣言する。
○…バレーボールとの出会いは小学校低学年の時。通っていた多摩市の学校にクラブがあったことから興味本位で通うように。当時は競技というよりもボール遊び。教えてもらったアタックやレシーブなど1つ1つのプレーができるようになっていくことが楽しかったのだという。「みんなと助け合えることがこの競技の一番の魅力。勝った時など喜びが倍になるんです」
○…元気の源は食事だ。特に、週替わりでメンバーの母親たちがつくってくれる夕食が楽しみ。栄養満点の食事と共に母親たちの優しさが心を癒してくれている。「おかげで私のお母さんも少し料理がうまくなったんです」とようやく名門校のキャプテンではない「普段着」の笑顔をみせる。勉強では、型通りの公式を使うと答えが出る数学が好き、と話す姿は、遊びのあるプレーができないと悩む様子と重なる。
○…チームの課題を「波がある」ことと話す。1つリズムが崩れると立て直す力がないと。だからこそ、キャプテンである自分がチームを1つにまとめなければと自覚しつつも「思いをどう表現すればいいのか」と悩み続けている。そんな少し不器用な主将の口癖が「みんなと一緒に」――。高校最後の舞台となる全国大会では倍増した喜びを手にするため、最大限、声をからすつもりだ。
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