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八王子版 公開:2019年6月6日 エリアトップへ

一本柱立ち上げを披露 諫鼓鳥の山車 まつりで

文化

公開:2019年6月6日

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立ち上げの練習をする同町会の会員ら=5月26日。撮影は山上洋平さん
立ち上げの練習をする同町会の会員ら=5月26日。撮影は山上洋平さん

八幡町1・2丁目町会

 今年の八王子まつりで「八王子最古」と言われる八幡町旧2丁目の山車の「一本柱の立ち上げ初め」が披露される。山車は1819年(文政2)につくられた「諫鼓鳥(かんこどり)の飾り」で知られる。同まつりで諫鼓鳥の山車による立ち上げが見られるのは、およそ110年ぶり。

8月3日夜

 この山車は江戸時代後期のもので、八幡町1・2丁目町会(長谷部良幸会長)が管理している。

 車輪などが傷んでいたため、およそ30年間、山車蔵で保存されていた。2016年から大改修が開始され、翌17年の八王子市制100周年の際、八王子まつりで展示され多くの見物客を集めた。

 以後引き続き市内の宮大工により修理が進められ今回竣工の運びとなり、まつりの2日目にあたる8月3日(土)夜に「一本柱の立ち上げ初め」を披露する。

 まつり、山車に見聞が広い、市文化財保護審議会会長の相原悦夫さん(78・元本郷町在住)によると一本柱は「神の依代(よりしろ)を表している」そうで、それを有する山車は「一本柱そのものが魅力。今の主流である二層鉾台形式と違い、江戸時代の風情を感じられる」と話す。

 一本柱は山車の中心部に立ち、柱の上には飾り物が添えられる。「本来は榊(さかき)、弊束(へいそく)が付けられるものでありますが、江戸では江戸時代後期になると人形師がプロモートした、せり出し式の人形山車に変わっていきました」。それに対し八王子では「山車の躯体は地元の宮大工が造り、そこに江戸の人形を飾る。今でいうコラボレーション」と相原さんは説明する。

 ただ明治中期以降、道路に電柱ができ始めると、数メートルある一本柱を立てるのが難しくなり、その雄姿は見られなくなっていった。

110年振り

 八幡町旧2丁目の山車の一本柱は、およそ5mの無垢の木で、柱の上には「平和の印の象徴」といわれる「諫鼓鳥」が飾られる。総重量はおよそ230kg。

 立ち上げは町会会員ら20人により「緊張の中」、1時間ほどかけて行われる予定。場所は甲州街道沿いの八幡町交差点付近。時間は午後7時から。「真柱に付設された骨車に通したヒモを、山車の正面と後方からたぐい引き上げます。その様からは祭りの熱意を感じられると思います」と相原さんは解説する。

 今回の取り組みについて長谷部さんは「立ち上げは110年ぶりくらいになるのでは。ぜひ多くの方に見ていただきたい」と呼びかける。相原さんは「多摩地域を中心に平成の時代には八王子型一本柱の山車の立ち上げが10件ほどありました。今回もとても貴重な機会。2年前の展示以上に『エポック』(画期的なできごと)になるはず」と話した。

 八王子まつりに出る一本柱の山車は同町会のものの他に南町と八幡上町のものがある。南町は14年に立ち上げが披露されている。
 

取材に応じた相原さん
取材に応じた相原さん

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