20年以上にわたってレーシングドライバーとして活躍している 峰尾 恭輔さん 散田町在住 45歳
「成り上がりたい」原動力に
○…カーレーサーとして日本最高峰のカテゴリー「スーパーGT」を主戦場にする。2012年にはそのステージで日本一となるなど、20年近く第一線を走り続けてきた。ただ、昨年は振るわず、今年を再起の年と位置付ける。「身体も心もリセットしたい。強化策の一つとして身体の軸をしっかりとさせる練習などに取り組んでいます」。その再スタートにファンも注目している。
○…原動力となってきたのが成り上がりたいという思いだ。幼少期から運転のテクニックなどを学ぶことができるカートで腕を磨いてきたライバルがほとんどのなか、20歳を超えてからレーサーとしての道を歩み始めた遅咲き。お金がかかる競技のため、デビュー前後はアルバイトを掛け持ちして資金づくりに励んでいたのだという。「寝る間も惜しんでいた。付き合いが悪いと友だちがいなくなりましたよ」
○…生まれも育ちも散田町。幼い頃は「かっこいい」とスーパーカーに憧れ、野球にのめり込むどこにでもいる子どもだった。そんな少年をレーシングの世界へと引き込んだのは中学時代。徹夜で試験勉強に取り組むなか、息抜きとしてつけたTVのなかで日本人ドライバーが世界の強豪と競い合っていた。「感動しましたね。ああなりたいと」。世界を舞台に戦いたい、という夢はその頃からのものだ。
○…豪快にみえて緻密。レース中、恐怖はあまり感じないという。時速300キロを超えるなかでも「根拠」があればミスはしないという自信があるためだ。「失敗をしても『次はどうする』と考えることが大切だと思うんです」。それが成り上がりを支えてきた自身の指針でもある。「思い通りいかないからこそ面白い。それは趣味のゴルフも同じですよ」
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2021年4月8日号