令和3年度東京都優秀技能者(東京マイスター)知事賞を受賞した 小池 孝広さん 楢原町在住 40歳
会社、父の教えに感謝
○…「製造業の仕事をしていて表彰をされるようなことはなかなかないと思う。目に見える形となりすごく嬉しい」と笑顔を浮かべる。評価されたのは0・005mm以下も対応する、旋盤による高精度な金属加工の技術。「個人でいただいた賞ですが会社の土台があり、父親である社長の教えがあったから」と喜びより感謝の思いの方が強くあるようだ。
○…川口町で生まれ地元の小中学校に通った。当時の記憶は「サッカーばかり」。三浦知良やビスマルクに憧れた。高校生になると工場を営む父親の仕事を手伝う機会があった。それほど興味はなかったがやってみると「金属の棒を削っていってネジになる。削って色々な形ができる点がとても面白いと思いました」。そのまま働くようになり以来23年間、旋盤工として家族経営の工場を支えている。
○…趣味はキャンプ、そしてコーヒーを嗜むこと。昨年コロナ禍で「考える時間」ができ、その中で「人生に余白が必要」と現実生活を離れるキャンプを始めた。コーヒーはそれまでインスタントを好んでいたがこの春、「落として飲む」ことを知ると虜に。自分で豆を挽くが「他人に淹れてもらうのが一番美味しい」と笑う。加工技術を生かしドリップスタンドの開発もした。
○…2年前、ドイツである医療機器の展示会への出展を東京都が募っており、応募をしたが落選。だが英語の会社案内とサンプルをバッグに詰め込みドイツへ向かった。「とても悔しくて。ただ、実際にいってみてレベルの高さなどがわかり刺激になりました」。仕事のやりがいについては「作りたい人の『想い』を形にできる点」という。長い髪は愛嬌。今夜も工場に残り、黙々と旋盤に向かう。
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