在宅診療を行う数井クリニック(打越町)の数井学院長が、妻に先立たれた男性に声を掛けて集まっている「男の料理教室」。そこで初めての「卒業生」が生まれた。
めじろ台から通っていた西条幸彦さん(88)はこのたび、千葉県にある介護付き有料老人ホームに移り住むことになった。「一人住まいで、いつ寝たきりになるかもしれないからね。千葉のホームには妹が住んでいて、しかも同じ棟に暮らせる」と話す。男の料理教室には、足掛け4年通った。生まれは渋谷区で、八王子は定年をきっかけに両親と同居するために暮らし始めたという。「30年以上八王子にいて、それなりのお付き合いがあり、去りがたい思いがある」
妻を亡くし、その最期を看取った数井院長から声を掛けられて参加。自分で料理を作るのが好きで、今でも3食自炊しているという。外食も冷凍食品もなし。「自宅に精米機があって、夜は精米したピカピカのご飯を食べてるよ」。すき焼きや天ぷら、酢豚なども自分で作っているという。料理教室では「思いがけない料理に出会えることもあった」。なお参加者たちは、妻の看病などで料理経験のある人がほとんど。
5月18日は同教室として初めての外食となる「励ます会」を暁町の料亭「なか安」で行った。西条さんに活動を振り返ってもらうと「新しい料理の作り方が分かるし、何よりも皆でワイワイしながら作るのが良かった」「とくに年に2回のバーベキューが記憶に残っている」「月に1回、皆さんと楽しく過ごせた」と思い出が溢れた。
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