酒造りを通じて八王子を盛り上げようと活動するNPO法人はちぷろが9月28日、稲刈り体験を行った。老若男女の約170人が参加し、鎌を片手に汗を流した。
今年6月高月町の田んぼを会場に同法人が主催した田植え体験の稲が収穫の時を迎えた。鎌で刈った稲を紐で結び束にして、天日干しにする「はぜかけ」までを全員で行い、作業は終了。参加者らはその後、懇親会を楽しんだ。
3歳の息子と家族で参加した秋元義之さん(39)は「息子に(食べ物の)好き嫌いがあるので、食育にいいかもと参加した。たくさんの人の手を借りて食卓に出てることを感じてもらいたい」と話していた。また、親子で参加した小谷田昌彦さん(43)は「いい機会だった。日本酒になるのが楽しみ」と話し、娘の祐佳さん(11)も「大変だったけど楽しかった。これからも残さず食べようと思った」と話していた。
収穫したのは酒米品種「ひとごこち」。今後は等級検査を受け、精米。純米吟醸酒「高尾の天狗」に醸造され、一部は東京八王子酒造での酒造りが行われ、今冬には販売開始となる予定。
はちぷろは八王子産米で造る「高尾の天狗」を軸として2014年にスタート。2000年代に次々と消えた八王子の酒蔵醸造を復活させることを目的の1つに、「酒造りは農業の延長線上にある」と、日本酒ができるまでの農業体験を参加者に提供してきた。代表理事の1人・西仲鎌司さんは「今年のは実がしっかりしている。いい出来だと思う。活動も11年目。今後も、農業や酒造りに興味がある人に多く出会いたい」と話していた。
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