学識経験者や東京都都市整備局や多摩市らで構成された「多摩ニュータウン再生検討会議」(上野淳委員長)は10月30日、これまで検討を重ねてきた多摩ニュータウン再生方針を策定し、阿部裕行多摩市長へ提言を行った。今後、多摩市、東京都を中心にこの再生方針を踏まえて、ニュータウン再生を推進していく意向だ。
多摩ニュータウンは、1970年代に諏訪・永山地区を皮切りに、入居が開始され、40年以上が経過。そうした中で、居住者の高齢化が進み、都市基盤は更新時期を迎えていることからその対応が課題として挙げられていた。
そこで多摩市では、東京都の支援を受けて、2013年から多摩ニュータウンの「再活性化」「持続化」を目的に、再生検討会議を設置。首都大学東京の上野淳学長を委員長に、明星大学西浦定継教授、日本女子大学薬袋奈美子准教授ら学識経験者に加え、東京都都市整備局やUR都市機構、永尾俊文多摩市副市長らでメンバーを構成。現状の課題・取り組み、再生方針のイメージをメンバー内で共有し、グループに分かれて検討を進めていた。昨年3月に「多摩ニュータウン再生シナリオ」を、今年3月には「多摩ニュータウン再生方針(案)」を取りまとめ、今回「再生方針」を策定した。
コンセプトは「持続化」「コンパクト」
策定された再生方針のコンセプトは「多世代が連鎖的に住み続ける『まちが持続化する仕組みを持つ』」「”市街地縮小型”ではなく、地域の循環構造を支えていく”多様な強化連携型”で『多摩ニュータウンに相応しいコンパクトを目指す』」の2つ。
具体的な目標として【1】人と環境に優しい都市基盤・拠点構造への再編、【2】惹きつけられ、住み続けられるまちの実現、【3】企業や団体等の多様な主体が協働して循環型の地域サービスを育むなどを挙げている。
また目指すべき都市像として「駅を中心に多様な拠点がネットワークし、近隣住区を活かして地域の循環構造を支える、コンパクトな都市構造への再編」を挙げ、ニュータウン全域の再生プロセスとして、第一次入居の諏訪・永山地区で先行的に再生を実践。その経験や成果を踏まえ、地域ごとに再生を連鎖していくとしている。
この再生方針の提言を受けて、阿部市長は「これからの再生、創世に向けた主役は市民。この提言をまちで取りまとめていきたい。事業主の力を借りて、市民と共に取り組んでいきたい」と意欲をみせた。
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