「楽農倶楽部多摩」の代表を務める 新井 文夫さん 落合在住 73歳
野菜作りで地域貢献を
○…長い髪を後ろで束ね、バンダナを巻いた姿がトレードマーク。「ゴーヤのおじさん」。親しみを込めて子どもたちからそう呼ばれる。多摩市教育委員会から依頼を受けて、2010年から近隣の小中学校で「緑のカーテンプロジェクト」と題したゴーヤのカーテンづくりを指導している。「植物を育てることは命を育てること。それを子どもたちに伝えていきたい」。活動に込められた思いを語る。
○…30年程前に団地の植栽管理を行う団体を発足。その中で「野菜を作りたい」と声が挙がったことをきっかけに、10年前に「楽農倶楽部多摩」を立ち上げた。町田市小山田で農家から畑を借り、土づくりから力を入れた有機栽培で野菜作りを行っている。「すべからく自慢できるもの」という野菜は、会員たちで食すだけでなく、近くの商店や保育園にも給食用として提供している。「『美味しい』と言って喜んでもらえるのが嬉しい」と顔をほころばす。
○…青少年問題協議会のメンバーでもあることから、日頃から教育委員会や近隣の学校と頻繁に交流を深める。西落合小学校や落合中学校の放課後教室で子どもたちに囲碁を指導する他、東愛宕中学校では養蜂活動にも取り組む。今年で7年目となった「緑のカーテンプロジェクト」では、学校の先輩が後輩に紙芝居でゴーヤの育て方を教えたり、子どもたちが実ったゴーヤを近隣の商店に配ったりと活動は広がりを見せている。「野菜づくりを媒介に地域に貢献したい」。その思いが着実に結実している。
○…現役時代は会社勤めのサラリーマン。退職後に始めた野菜作りが今や活動の源に。「若い世代の親たち、これからを担う子どもたちに知っていることを伝えていくこと。それが我々世代の役目」。そうした思いが行動につながっている。「大きなお世話が好きなもんで。これからも子どもたちと関わっていきたいですね」。今日もバンダナ姿で、子どもたちと触れ合っている。
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