多摩市では、認知症の人や、その家族・介護者の支援を目的に、認知症に関する情報発信を行う講座「あしたの会」を定期的に開いている。3月4日には「認知症になっても自分で自由に歩みたい」をテーマに、劇を通じて認知症について学ぶ同講座がパルテノン多摩で開催され、会場には立ち見が出るほど多くの人が訪れた。
今回は、地域で活動している介護予防リーダーを中心に劇団を結成。ラーメン屋を営み、夫が認知症にかかってしまった60代の夫婦の話を寸劇で披露した。夫の介護で悩む妻の葛藤など、実際の体験者の話をもとに劇が構成され、途中、市内で高齢者医療を手掛ける「あいクリニック」の天本宏医師も実名で登場。認知症の症状や早期発見・治療が大切であること、認知症患者への接し方、地域での見守りなどの講演を行った。
その他にも、現在多摩市が進めている認知症への施策や、ALSOKと協働で進めている「みまもりタグ」を活用した見守りネットワーク事業について同社から説明が行われ、「タグ・専用靴の利用」「アプリのダウンロード」「感知器の設置」の協力を呼びかけた。
また認知症介護者の会「いこいの会」からも「一人で抱え込まず、地域で見守りを」と呼び掛けも行われた。
今回の講座に対し、市高齢支援課には「劇中の夫婦に共感した。自分一人ではなくもっと地域の人に助けてもらわないといけない」「自分も今後に備えていきたい」といった感想が寄せられたという。同課では「今後も地域が一丸となって見守りを行っていければ。そのためにもこうして啓発活動を行い、地域で支える体制をつくっていきたい」と話していた。
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