多摩版 掲載号:2018年8月23日号
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平成30年7月豪雨 茶色の世界「復興」遠く 被災地視察、社協職員語る

社会

洪水被害を受けた真備町。家の窓がなく道端に家具の残骸が積み上げられている=松浦さん撮影
洪水被害を受けた真備町。家の窓がなく道端に家具の残骸が積み上げられている=松浦さん撮影
 6月下旬から7月上旬にかけて西日本を襲った「平成30年7月豪雨」。被災地は、今だ復興のめどはたっていない。多摩市社会福祉協議会の職員で、国士舘大学ウェルネスリサーチセンターの研究員でもある松浦隆浩さん(44)が7月27日、多摩市社協や国士舘大学からボランティアを派遣するなど支援の可能性を探るため、被害の大きかった岡山県倉敷市を訪れた。松浦さんに現地の様子などを聞いた。

 「家のイメージって、外から見ると、窓に光が反射して明るいものだと思っていました。でも、現地を訪れてみたら窓がなく閑散とした暗い家なんですよ。イメージが全く違いました」と、神妙な面持ちで話す松浦さん。

 松浦さんは、社協の職員でありながら、国士舘大学ウェルネスリサーチセンターの研究員として、これまで様々な災害現場を訪れ、復興支援活動を行ってきた。関西の大学を卒業後、会社員として倉敷市で働いていた時期があった。その当時の記憶を頼りに、洪水による被害が大きかった倉敷市の真備町を訪れた。

 そこで見た光景は、これまで訪れた災害現場の中でも特に凄惨だった。「こういうことを言ってはいけないとは思いますが、東日本大震災の時に訪れた石巻市も言葉を失うほどでしたが、真備町はそれよりも何というか…。ひどかった」と言葉を選びながら話す。

 松浦さんの話によると、石巻市では津波の被害にあった家などは、波が引く時に一緒に残骸も海へと流され、何もない状態だった。一方で、真備町は川の氾濫で壊された家などが無残な姿で残っているのだという。街路樹や田畑などの緑が茶色の世界。積みあげられた家具などの残骸が延々と続く道路。消毒のためにまかれたであろう塩素のにおい。本来であれば災害支援の拠点となるはずの施設も被害に遭い、少し距離の離れた施設が拠点となっていた。全国から集まるボランティアの人たち。そのボランティアを支えるボランティアもいた。それでも、人が足りていない状況なのだという。

 「おそらく復興には3〜4年、それ以上かかる。時間だけでなく、人力もお金も必要になる」と松浦さん。「被害が大きく、まだボランティアが入りきれていない地域もあった。8月下旬から9月にかけて多摩からボランティアとして訪れることができれば」と、各方面に報告する予定だという。

「助け合いの精神を」募金箱で義援金も受付

 昨今の異常気象により、多摩市でもいつ何が起こるかわからない。そうした中で、数多くの災害現場を見てきた松浦さんはこう語る。「もし多摩市が被災地になった場合、全国からボランティアの方々が来るでしょう。多摩社協でも、災害ボランティアセンターの設置運営訓練を毎年行っていますが、その訓練に多くの方に参加してもらって備えをしておくこと。そして、ボランティアで来てくれた方たちの熱い気持ちに対する感謝の思いや、接遇などを良くできる体制を作ることが大切だと思います」

 重ねて「助け合いの精神。何とかできないかなという気持ち。岡山がどうなったか、ちょっと寄り添う気持ちがあることで、遠くても何かしらつながることもある。地域の人に話して支援の手を広げてもらえれば。遠くの顔がみえる関係づくりが必要ではないでしょうか」と問いかける。

 社協では現在、総合福祉センターをはじめ、多摩ボランティア市民活動支援センターなどで災害支援のための募金箱を設置し、協力を呼び掛けている。

被災地の状況を語る松浦さん
被災地の状況を語る松浦さん
全国から届いた支援物資とボランティアに訪れた人たちからの応援メッセージ
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