エコでスマートな小型の交通手段として世界的な注目を集めている「電動キックボード」。多摩市は4月18日、その電動キックボードの活用の可能性を検討するため、(株)Luup(渋谷区・岡井大輝代表取締役社長)と「電動キックボードの実証実験に関する連携協定」を締結した。今夏以降に市内で実証実験を行い、新たな交通手段の在り方などを検討していく意向だ。
手元にアクセルやブレーキがついている電動キックボードは、操作が簡単で漕がずに乗ることができ、スカートやスーツでも乗ることができる。充電式で排気ガスも排出しないため、環境にやさしく、自転車と比較してもより小さなスペースに駐輪できることから、シェアリングに向いている乗り物だという。すでにアメリカやフランス、シンガポールなど世界各国で導入が進んでおり、キャンパス内での移動や、観光スポット巡りなどに活用されている。
その電動キックボードのシェアリングサービスを目指しているのが(株)Luupだ。同社は、電動キックボードの将来的な提供を通じて、住民の移動効率の向上や、駅から遠い不動産や店舗の価値向上、観光客の利便性向上を目指しているという。その同社からの提案を受け、今回、多摩市は連携協定を締結することとなった。多摩市以外にも、静岡県浜松市、奈良県奈良市、三重県四日市市、埼玉県横瀬町の5自治体が同時に同社と連携協定を結んだ。
同協定は、電動キックボードの安全性や利便性の検証等を行い、まちづくり施策と連動・補完することなどを目的としており、今後、実証実験や市内における公共交通のあり方に関する協議検討、交通政策への相互協力を行っていくとしている。
夏から秋に実施を検討
一方、電動キックボードの実用化に向けて課題もある。日本では現在、原動機付自転車に該当されているため、前照灯や番号灯などが必要となり、道路運送車両の保安基準に適合していないと公道を走ることはできない。そのため、今後、実証実験を通して安全面の担保や設置場所の検討など実用化を進めるとともに、関係機関と協議をしていくという。
多摩市では、初夏から秋にかけて、市民にも参加してもらいながら、多摩中央公園等の市内公園やペデストリアンデッキ等での実証実験を検討している。市行政管理課では「坂道が多いなどの地域課題がある中で、ひとつの移動手段になる可能性がある。地域の活性化、駅周辺の回遊性向上等の検証も連携して行っていきたい。乗るだけでも楽しいので、楽しみ方も考えていきたい」と話している。
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