多摩市は8月17日から3日間、災害時の避難所に指定されている4施設で運営訓練を実施した。
避難所は、災害が発生、および発生の恐れがある場合に危険から逃れる「緊急避難場所」と、災害の危険性があり避難した住民等や、災害により家に戻れなくなった住民等を滞在させる「避難所」がある。
市では、毎年開催されている総合防災訓練で宿泊訓練を行っており、そこで避難所の開設、運営の訓練を実施している。今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で総合防災訓練は中止となったが、内閣府から同感染症の対策に配慮した避難所の開設、運営に関するガイドラインが示されたことから、今回、そのガイドラインの検証とともに、有事に備えるための訓練を実施した。
今回は洪水・土砂災害が発生した際に、避難所を予定している9施設(表参照)のうち、初日は市立総合体育館と武道館、2日目は連光寺小学校、3日目は聖ヶ丘中学校の4施設で行われ、それぞれの施設に市職員が約20人ずつ参加した。
3日目に聖ヶ丘中学校で行われた訓練では、A班、B班で運営役、避難者役を交互に担いながら実施した。玄関には事前受付があり、そこで人数と濃厚接触者に指定されているかを確認。検温を行い、発熱や濃厚接触者に指定されている場合は専用区域に誘導し、ない場合は記載所で避難者カードを記入。その後、総合受付で要配慮者に該当するかを確認し、該当しない場合は体育館に案内され、そこで避難者同士が距離を取るために約2m四方に広がるパーテーションを自分で設置。該当する場合は別の部屋に案内され、そこでパーテーションと簡易ベッドを設置し、濃厚接触者、発熱者も専用区域でそれぞれパーテーションで区切られた場所に案内するという流れで行われた。また新たに導入された避難所の混雑状況を可視化するシステムの検証も行われた。
課題踏まえマニュアルに
訓練に参加した職員からは「想定している受付の人数だと足りない」「専用区域までの動線の再度検討を」などの声が挙がった。昨年の台風19号の際にも避難所の運営にあたった教育委員会教育振興課文化財担当の藤田純課長は「今回はコロナの影響もある中で、万が一の時の運営に対して台風シーズン前にこうした訓練でイメージを掴めたのは有効。昨年はプライバシーの部分で心配もあったが距離をとるためのパーテーションがその役目を果たしているのは安心できる」と訓練を振り返った。
市防災安全課では「新しい避難所の運営要領では、従来の収容人数の約30〜40%になるので、その検証や職員の練度向上を図ることができた。実際に訓練をすることにより、避難所での熱中症や発熱者への対応要領などが見つかったため、引き続き検討を進めていきたい」と話す。今後、今回の訓練を検証し、9月中旬には設置マニュアルを策定する予定だという。
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