多摩市はこのほど、新型コロナウイルスの感染防止対策として、避難所の混雑状況が可視化できるシステムを導入した。
同システムは、飲食店などでリアルタイムの空席情報を提供するサービスを展開する(株)バカン(千代田区、河野剛進代表取締役)のIoTサービスを利用したもの。災害が発生した際に設置される市内の各避難所で、職員が専用機器を操作するだけで、特設Webサイト上の地図に各避難所の場所が示され、その場所の混雑状況が表示される。混雑状況は「空いています」「やや混雑」「満」の3段階で示される。
多摩市では昨年10月に台風19号が発生した際、2583人が市内の各避難所に詰めかけ、一部の避難所に集中し混雑したという経緯があった。昨今のコロナ禍の中で、避難所でもソーシャルディスタンスや、体調不良者のゾーニングなどの対策によって従来の想定収容人数が減少することから、混雑防止が喫緊の課題となっていた。そうした中で、今回、同社のシステムを導入することで、避難所に移動する前に確認し、避難先を選んでもらうことで混雑を避けることを狙いとしている。
8月4日には多摩市役所で、同システムの管理システムとIoT機器を提供してもらう協定を(株)バカンと締結した。同社では、同システムを避難所の運営に活用するのは初めてだという。河野代表取締役は「こうした取り組みを多摩市と実現できることはありがたい。できる機会、できることをチャレンジしていきたい」と話した。阿部裕行多摩市長は「避難する時に市内の避難所がどいういう状況か可視化することで、いざというときに右往左往せずに安心して避難できる。有効に活用していきたい」と話していた。
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