多摩市内で住宅用火災警報器(住警器)の設置が義務づけられて、4月で10年が過ぎた。多摩消防署が昨年12月に行った調査によると、市内の設置率は、全国平均の82・6%を上回る85%。ただ、そのうちの10%が東京消防庁が定める複数箇所に設置しておらず、未だ未設置の世帯もある。同署担当者は「引き続き、啓発を進めていきたい」と話している。
住警器とは、煙や熱を自動で感知し、火災の発生を音声などで知らせるもので、多摩などは東京都の火災予防条例によって2004年から新築住宅に、10年4月からは全ての住宅に設置義務が課されるようになった。
多摩消防署が昨年割り出した市の設置率は85%。全国平均は上回っているものの、うち10%の世帯が「普段、人のいる部屋に設置を」という都の条例で定められた複数の設置義務を果たしておらず、未だ住警器を取り付けていない世帯も見受けられるという。
発生件数は減少傾向
義務化の効果は表れているようだ。東京消防庁が昨年12月に発表したデータによると、住警器の設置が義務化されて以降、同庁が管轄する(稲城市や島しょ部を除く)都内の人口10万人あたりの住宅火災の発生件数は減少傾向にある。
一方で、ぼや火災は微増しているが、住警器を活用することで早い火災の発見、通報が義務化以降、増えていることによるものとみることができる。「火災1件あたりの平均焼損床面積に関する19年のデータでは、住警器を設置している住宅は4・4平方メートルだったのに対し、未設置の家では19・6平方メートルと約4・5倍となった。火災による死者も、設置住宅に比べ、未設置の場合は100件あたりで約3・4倍の確率で多くなっている」と同署担当者は話し、住警器は命を守るものとして認識してもらいたいとしている。
交換目安は10年
住警器に関することを担当する同署の歌代陽介・地域防災担当係長は「住警器の交換目安は10年。義務化開始前後に設置した場合は通常通り、作動するか一度、点検してもらいたい」と指摘し、正常に動かない場合は交換することを訴えている。「電器店やホームセンターなどで購入できる。早めに対応してもらいたい」と話している。
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