多摩ニュータウン・愛宕地区などのコミュニティ再生に取り組む 高橋 英與さん 八王子市在住 73歳
困難な場こそ、我あり
○…国の住まい環境整備モデル事業として認定された取り組み。自身が立ち上げた共生型の社会づくりにあたる一般社団法人を率いて、昨年から多摩センター駅に近い八王子・松が谷地区や愛宕の団地に人が集う仕掛けづくりを進めている。現地周辺へと住み込み、住民らの声から課題解決策を考えていくのが高橋流。「ハコをつくることが先でなく、求めているものを知ることから始まるんです」
○…地域再生のプロだ。これまで全国の過疎地などに移り住み、30を超える地域の再生を果たしてきた。多摩ニュータウンに来る直前までは豊島区でコロナ禍のなか、生活苦となった高齢者や障害者の居場所づくりに取り組み、それぞれが新たな生活を送れるように道筋を立ててきた。その過程では思うようにいかないこともあったがそんな時は柔軟な心のなかにある頑固さが役に立った。
○…岩手県出身。幼い頃、親に見捨てられ孤独を感じた経験をもつ。とある旅館に置き去りにされ、途方に暮れた。ただ、引き取られ暮らすなか、困難を物ともしない力が身についたという。「今、そんな力が役に立っている。もう、わくわくしない平穏な毎日は送れない体質なんです」と微笑む。そして、賑わいを求めるのは「どこかで家族を求めているのかも」と笑う。
○…後継者づくりを意識し始めている。4月には、共に松が谷や愛宕地区の再生にあたる若いスタッフを採用し、活動を通じて自身の「やり方」を伝えていきたい考えだ。「住民のなかからも。見つけていきたいね」。若い時に立てた自身が手がける地域コミュニティ拠点の目標数は500カ所。達成は難しいと思いつつ、「困難なことこそ、燃えるんです」
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