ひきこもりの家族を抱える多摩市民らが集う多摩市地域家族会「ぽんぽこの会」が設立されて3年が過ぎた。同じ境遇の人たちが集まり悩みを語り合うことで息を抜き、情報共有しながら、ひきこもる家族との向き合い方を共に考える場になってきた。
発足は2019年。ひきこもりの家族を抱える家庭の支援などを行っているNPO法人「楽の会リーラ」(豊島区)の声かけにより、多摩市内の自宅でひきこもる10代から50代の親などが集まり活動を開始。月に1回、懇談会を設け互いの悩みを語り合い、就労や医師についての情報などを共有してきたほか、専門家を招いてひきこもりについての講演会を開催するなど、生きづらさを感じている家族の回復に向け、取り組みを進めてきた。
発足に関わったリーラの担当者は「同じ行政区でまとまり、それぞれの自治体が行っているひきこもりに関する支援を受けられるようにしたかった」と語り、当初から会に参加するメンバーのひとりは「同じ境遇の人たちと出会い、ひきこもる家族を『待つ』ことの大切さを学んだ。以前はどうすれば良いのか分からず、毎日苛立っていたが、今は心を落ち着かせて見守ることができるようになった」と振り返る。
「高齢化」迫る
ぽんぽこの会メンバーの共通の課題になっているのがひきこもる当事者と見守る双方の高齢化だ。親が高齢となり介護を受ける世代になってくると十分な収入を得られなくなり、社会的に親子が孤立してしまう可能性が高まるとして、国なども目を向け始めている。
八王子市などでひきこもり支援にあたる株式会社あやめ会の青木崇浩さんは「そんななか、ひきこもる若者向けの相談窓口はあるものの、40歳以上を対象としたものが少ないのが現状」と話す。中高年のひきこもりは「無理をするな」という風潮のなか育った今の10、20代の人とは違う傾向にあるとし、なかには精神的な病気のため、ひきこもる人もいることから、その見極めのためにも、「ひきこもる中高年がしっかり相談できる場所をつくっていく必要がある」と指摘している。
毎月、第4土曜日
会の懇談会は原則、毎月第4土曜日に開かれている。南野の二幸産業・NSP健幸福祉プラザなどを会場に他市在住者の参加も可能で、運営費として一人500円(当事者・経験者は無料)が必要という(事前申込不要)。詳細・問い合わせは市社会福祉協議会・地域活動支援センターあんど【電話】042・356・0307。
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