多摩市の友好都市になっている長野県富士見町にある「多摩市民の森フレンドツリー」。この森を整備するボランティア団体・フレンドツリーサポーターズ(FTS)は2006年、現地に多く生息するカラマツの育成管理をするために発足し、長年にわたり整備活動を続けている。
今月から9月ぐらいにかけて市内小学校の6年生の児童が、2泊3日の修学旅行に出かけるのが富士見町にある自然体験施設「多摩市立八ヶ岳少年自然の家」。市と富士見町はこの施設ができたことをきっかけに1986年、友好都市になった。
修学旅行では、少年自然の家が主体となり同施設の近くにある多摩市民の森で林業体験が行われ、児童らは林業について学び、実際に木を切ったりしている。
体験には欠かせない
そして、この林業体験をするために事前の林床整備や間伐作業、枯れた木の処理など良好な森林環境の保全に努めているのがFTSだ。新年度を迎えた4月には現地に向かい、児童たちが座る学習ベンチの製作や伐倒作業を行ってきた。
月1回のペースで活動をしているFTSの大谷文子代表(豊ヶ丘在住)は「多摩市民の森の愛称・フレンドツリーを管理することから団体の名称が名づけられました」と話す。また、FTSの芦沢芳美副代表は「6年生の児童が体験授業を受けますが、森の事前整備として倒れている木や危ない木を撤去したり、道を作ったり、子どもたちが活動しやすいようにサポートしています」と説明する。
広報担当の泉浩二さんは「多摩市のボランティアだけではなく、少年自然の家を管理している団体や林野庁の職員など、多くの関係者が森を守っています。子どもたちには林業体験を通して自然のことや森の仕組みを学んで自然を大切にする気持ちを持ってほしい」と話している。
大谷代表は「実際に児童たちが来るときにはいないので、裏方みたいなものですね」と苦笑するが、毎年17校中2校は見学をしているとのこと。これから修学旅行に行くという児童たちは、FTSのメンバーを見たら声をかけてみよう。
「森木会(しんぼくかい)」に所属
FTSは多摩市のグリーンボランティア団体「森木会」に所属している。同会にはFTSを含む14団体が所属しており、市の講座を受けるとそれぞれの団体に所属して活動します。多摩中央公園や一本杉公園など市内の緑を守る活動をしているが八ヶ岳で活動しているのがFTSの特長。また、森林伐採に特化した活動をしていることからチェーンソーで伐採する技術が必要だ。
大谷代表によると森木会に所属するほかの団体のメンバーにもゲスト参加してもらうこともあり、団体間の交流は盛んだという。
財団から助成
FTSは今年度からセブンイレブン記念財団の助成を3年間受けることができるようになった。コンビエンスストア、セブンイレブン店頭での募金などで集まった寄付金をもとに自然環境保護・保全事業や環境市民活動支援事業などを行っている。助成に採択されると一定額、交通費や宿泊費に充てることができる。
FTSは電動チェーンソーを購入した。実際に使用してみると操作が楽なうえ、エンジンチェーンソーより音が静かで臭いが無く、メンバーには好評だ。
騒音、排気のリスク軽減が望まれることは、大きな効果をもたらすとしている。
自然豊かな富士見
八ヶ岳少年自然の家は、修学旅行だけではなく5年生の宿泊体験に利用されたり、多摩市民と富士見町民はお得な料金で利用することができるのが特長。
周辺は高原のまち富士見と言われ、八ヶ岳や南アルプス、富士山などの絶景を見渡せるという自然あふれる場所だ。夏は高原で涼しく高原野菜を味わい、冬はスキーやスノボといったウインタースポーツが楽しめる。
これからの季節は避暑地として楽しめそうだ。大谷代表は「とても過ごしやすい良いところです。訪れたことのない方はぜひ富士見町におでかけください」と呼びかけている。
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