多摩市はこのほど、地域未来投資促進法に基づいた「東京都多摩市基本計画」を東京都とともに策定した。同計画は、「情報通信産業の集積」などの多摩市の特性を活用し、地域を牽引する事業計画を立案、承認した企業に対し、課税を軽減するなどの支援を行うものだ。都と市では、計画期間の2023年度までに3件の企業の支援を行い、約5億円の経済波及効果の創出を目指しているという。
地域経済の事業環境変化に伴い、産業、雇用の担い手が多様化している昨今。そうした地域の特性を活用した事業が生み出す経済波及効果に着目し、これを最大化しようとする地方公共団体の取り組みを支援するために、「地域未来投資促進法」が昨年7月に施行された。
この法律をもとに、今回、多摩市と東京都が策定し、国の同意を受けたのが「東京都多摩市基本計画」だ。この計画に基づいて企業が事業計画を策定し、東京都が承認すると、事業者は課税の特例をはじめ、国による各種支援措置が受けられるようになる。地域未来投資促進法による基本計画を策定した自治体は都内26市の中で初だという。
3件で5億円の経済波及効果を
今回の基本計画は、地盤の安定性とニュータウン開発時に整備された高度な都市基盤や交通利便性等の強み等を活かした事業に取り組む地域企業を支援し、地域経済の好循環を目指すというもの。
事業者の計画の承認要件は3つ。1つ目が地域特性を生かした事業【1】情報通信産業の集積を活用した第四次産業革命【2】ニッチトップ企業が保有するIoT技術を活用した第四次産業革命【3】キャラクター・アニメ等の聖地、体験型産業観光、多摩よこやまの道等の観光資源を活用した観光・文化・まちづくりのいずれかの分野。2つ目が、1億1500万円を超える付加価値(従業員の雇用者増)の創出。3つ目が取引額1%増加、売上1%増加、雇用者数0・4%または1人増加、雇用者給与等支給額1・6%または75万円の増加のいずれかの経済効果が見込まれること。
これらの要件が満たされた事業計画が承認されれば、専門家等による事業化戦略や販路開拓のアドバイス、設備投資に対しての減税などの支援措置を受けることができる。
市と都では、この基本計画によって、3件の地域経済牽引事業者の創出、約5億円の経済波及効果を目指すという。
現在、市内には、大手銀行や大手通信企業等の計算センターやデータセンターがあり、今後も建設計画が立ち上がっているという。市では、そうした企業にこの計画を周知すると同時に、様々な企業の誘致につなげていきたい考えだ。「計画策定にあたり、改めて多摩市の産業の特性や強みを知ることができた。その特性がさらに強みとなって企業誘致のメリットにつなげられると思うので、周知を進めていきたい」と話している。
多摩版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|