多摩市の新しい特産物にしようと、市内の農家有志で結成された「多摩市ミニトマト(ソバージュ)部会」(相澤孝一部会長)が生産している「健幸トマト」が1月23日・24日、市内の全小学校の給食でふるまわれた。地場のトマトが給食で使用されるのは今回が初。相澤部会長は「目標がかない感激」と喜びを口にした。
市内の10軒の農家で結成された同部会が、市内の福祉作業所の協力を得て生産している「健幸トマト」。これは、種苗メーカー「パイオニアエコサイエンス(株)」が商標登録を行っている「ソバージュ栽培」によるミニトマトを「多摩市の特産物に」「学校給食で子どもたちに食べてもらう」ことを目標に、2017年5月から生産しているものだ。甘味が強く、生食や調理にも適しているという「ロッソ・ナポリタン」を中心に栽培され、昨年8月から販売を開始。毎回、完売するなど好評を博しているという。
同部会では、そのトマトを学校給食に使ってもらおうと、昨年2月に多摩市の学校給食センターに提案。「作業上の問題で加工したピューレなら検討できる」と返答があったという。そこで、生食用のミニトマトをピューレにするため、生産農家に呼び掛けると、8月末に250kg分が集まった。それを加工業者に依頼して「健幸トマトピューレ」が完成した。
一方、給食センターでは、このピューレを使ったメニューを検討。シチューやミートソースなどで使う場合はこの3〜4倍は必要になるため、少量でできるメニューを考案。その結果、大豆や肉などと一緒に煮るメキシコ料理の「チリコンカン」に決定。「量の問題もあったので難しかった。生で食べても美味しいものなので、できるだけ素材の味を活かしたメニューにしたかった」と給食センターの栄養士は話す。
今回、「チリコンカン」が提供されたのは、市内全小学校1万1千食。「全国学校給食週間」ということもあり、地場野菜のPRとして市内で採れたブルーベリーのジャムも提供された。給食センターによると、地場産のトマトを給食で使うのは今回が初だという。
「実現できて感激」
1月23日には、瓜生小学校に阿部裕行多摩市長、岩永久佳多摩市議会議長、同部会のメンバーらも試食に訪れた。健幸トマトを使った料理を食べた児童は「美味しい」「酸っぱくなくて食べやすかった」と感想を話していた。
相澤部会長は「当初の目標だった給食が実現できて感激。これも前多摩市健幸まちづくり政策監の安里賀奈子さん、給食センターの協力があってこそ。皆さんに感謝したい。生産量や価格など今後の課題や反省もあるが、多摩市の特産物として学校給食にも出せるように、もっとたくさん美味しい健幸トマトができるような作付け計画を練っていきたい」と話していた。
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