▽9月1日に大和市議会9月定例会が開会する(8月31日起稿)。市議会の半数を占める1期目の議員14人にとっては2度目の定例会となる。当面の檜舞台ともいえる一般質問においては、6月よりも進化した切れ味のいい質問に期待したい。だがこれは答弁する相手にもよるはなし。丁々発止ならともかく、低いテンションで無機質な答弁を引き出すような質問だけはご容赦願いたい。
▽6月定例会の一般質問を議会の録画映像で見た。残念ながら1期目の議員諸氏と、県議を3期務め先の市長選でダブルスコアの大勝を果たした2期目の大木市長とでは役者が格段に違う。しかし、より市民の近くから声を吸い上げ、満を持して議場へと運んだ提案の数々はどれも新鮮で、各位の専門知識を駆使して構成された質問には目を見張るものも数多くあった。そのなかで1期目の鳥渕優市議が取り上げた不育症の助成制度を求める提案は大木市長の琴線に触れたのか、即庁内で検討が始まり7月末には庁内決定された。いわば政治主導、トップダウンの対応で9月補正が実現したという。
▽県内初となる不育症の治療費助成は、度重なる流産や死産を経験してもなお新たな妊娠に挑もうとする夫婦にとって励みになる施策だ。しかし一方で、他の病気で高額な自費診療の負担に苦しむ市民も相当数いるはず。こうした市民が不公平感を覚えないか気がかりだ。なぜ不育症だけがこれほど迅速に対応されたのか。このあたりを一般質問でただし、市長から明快な答弁を引き出す議員がいるといい。
▽神奈川県内では、お隣の綾瀬市が不育症対策にいち早く乗り出していた。綾瀬市では不育症の保険適用を県に要請し、24時間体制の電話健康相談で不育症の相談を受ける体制を整えた。6月の広報紙では不育症の啓発コラムを掲載するなど助成の前段ともいえる施策を展開している。健康創造都市を標榜する大和市では綾瀬市とは対照的に、即、助成が実現したが、どことなく温かみが足りないようにも感じる。今後は他の病気にもより温かい目を向け、助成と同時に、啓発やメンタル面のケアにも検討が及ぶよう期待したい。
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