▽大和駅西側プロムナード沿いに「とれたて大和」という路面店がある。市内農家から新鮮な地場野菜を仕入れ、岩手県陸前高田市や山形県尾花沢市など、全国10自治体の特産品を販売している。10月には10自治体と市内県人会などが協力し、各地の郷土料理や名産品を一堂に集める「全国うまいもの市」も開催。各地の味覚を求め長い列ができる人気ぶりだ。
▽この店は、県の雇用創出事業の補助金を活用し、大和市が商店街活性化モデル事業と位置付けている。平成22年度からの2年間で約3500万円の税金を投入して地元協同組合に経営を委託。来年4月以降は組合が自力経営する予定だが、このままでは4月以降の赤字経営は必至だ。市もこれを見越してか、現在は無料で参加する各自治体に4月以降は出店料を求める交渉を進め、すでに7自治体から2年間の出店について内諾を得ている。毎月の出店料は2万6250円で「これを家賃分に充当し、あとは民間の努力で」というのが担当部の見解だ。
▽昨年9月の市議会定例会で当時の担当部は「とれたて大和を起爆剤として大和駅周辺商店街のにぎわい創出を図る」と標榜。加えて「周辺商店街の集客と回遊性の向上にどれだけ効果があるか検証する」と答弁したが、その後この種の検証が実行に移された形跡はない。答弁に対する市側の遺漏は明らかで、議会軽視ともとられかねない。
▽話を経営に戻す。昨年6月に開店した同店の今年3月までの収入は売上2497万円と公的資金2090万円を合わせた4587万円。これに対し支出は、仕入れなどの売上原価1917万円、管理費2242万円など総額4459万円。差引128万円の利益が出ているが運営費に公的資金が2000万円も入っての結果だ。
▽繰り返すが、4月以降の赤字は民間が負う。そうならないためにはイベントへの出店機会増や全量を買い取る仕入れ方法の見直し、人件費削減など経営改善が不可欠。同店は雇用創出やイベント開催など大和駅周辺に一定の成果をもたらしたといえるが、これらを存続させるには「あとは民間で」ではご都合主義が過ぎはしないか。
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