2012年(平成24年)が幕を開けた。本紙では新年にあたり大木哲(さとる)大和市長に恒例の新春インタビューを行った。昨年は、本市とゆかりのある選手が主力を担うサッカー女子日本代表がW杯で優勝。南林間で行われた凱旋パレードでは約3万2千人が祝福に訪れた。インタビューでは大木市長が新年に向けての抱負などを語った。
――新年、あけましておめでとうございます。まずは昨年1年間を振り返り、改めて実感したことなどがありましたらお聞かせください。
「まずは3・11東日本大震災への対応、そして9月に発生した台風では、本市においてもこれまでに経験したことのない強風に見舞われました。これらの自然災害によって、市民の安全・安心を守る自治体として、危機管理のあり方が根本から問われる1年となりました。この教訓から、市としても災害に強いまちを目指し、従前から進めてきた他自治体との災害時相互応援協定や地域防災計画の改定など、災害時の備えを充実させていく必要があると改めて強く感じました」
災害対応力を強化
――新年度(2012年度)の予算編成についておうかがいします。市税収入の見通しと、新年度に予定している新規事業・重点施策をそれぞれ具体的にお聞かせ下さい。
「市税収入については、景気の動向が依然不透明であることから市民税の大幅な増収は期待できず、固定資産税では、評価替えにより土地・家屋ともに減額となる見込みですが、市たばこ税、軽自動車税を増収とみて、市税総額では、前年度と同額程度を確保できる見通しです。新年度も、第8次大和市総合計画に位置づけた『健康創造都市 やまと』の実現に向けた事業を実施し、特に、東日本大震災を受け、安全と安心が感じられるまちを目指し、災害への対応力を高める事業を充実させてまいります」
大和の新たな魅力
――個別の事業について伺います。まずは大和駅東側第4地区に建設予定の公益施設についてです。この施設が市民生活にどう寄与する構想なのか、また109億円とも試算される事業費についてどう工面するのでしょうか。
「芸術文化ホールや図書館等を複合させたこの公益施設は、大和の新たな魅力とイメージを生み出そうとするものです。市の中心、大和駅近くに整備することで、市民の皆さまの文化芸術振興に大きく寄与し、未来の大和市民につなぐ、文化創造の拠点として整備する構想です。建設には相応の整備費がかかりますが、補助金、地方債、文化会館建設基金などを活用し、市の財政への負担を極力抑えます」
底辺拡大を目指す
――昨年のサッカー女子W杯に日本代表として出場して優勝し、南林間の凱旋パレードで祝福を受けた川澄奈穂美選手が、なでしこリーグ入りを目指す女子チーム結成と子ども達が夢をもてるような環境整備を市長に熱望しました。実現に向けた検討や取り組みにはいかがでしょうか。
「新年度に、小学生女子サッカーチームを対象に(仮称)なでしこカップを開催するなど、女子サッカーの底辺の拡大を目指し、今後の基盤作りを進めたいと考えています。環境整備の面では、引地川公園ゆとりの森に建設予定のグラウンドや、既存スポーツ施設の活用も視野に入れながら、総合的に検討してまいります」
――根岸英一さんがノーベル化学賞を受賞して、大和市名誉市民になり1年が経過しました。今後、この偉業を大和市の教育にどう活かしていきますか。
「大和市出身の大先輩の偉業は、子どもたちにとって大きな励みとなっています。夢を持ち、努力し続けることの大切さを伝えていきたい。また、子どもたちが国際感覚を持ち、主体的に行動できるよう、さまざまな体験や人とのかかわりを通じて、たくましく生きる力をはぐくむ環境作りに努めてまいります」
地元愛の醸成
――大和市の魅力を県内外に発信する「シティプロモーション」についておうかがいします。昨年までの取り組みの成果と、今後の課題、さらにはイベント観光などを中心とした大和市の近未来像をお聞かせください。
「これからの市政運営において、シティプロモーションの視点は大変重要と考えています。根岸さんの快挙や、なでしこジャパンの活躍は、「大和」の名を全国に広めてくれました。また、シティプロモーションのひとつとして、交流人口を増やしたり、地元愛を醸成したりする各種イベントが重要な役割を担っています。こうしたイベントをはじめ、さまざまな分野で本市の魅力を、市内外へとPRしてまいります」
スピード感ある運営
――昨年4月の市長選挙で市長は、市民から2期目の信託を受けられました。選挙結果を踏まえた今後の行政運営についてどのような抱負をおもちでしょうか。
「昨年の市長選挙において、市民の皆様から4万8千を超える票をいただきました。これは『健康創造都市 やまと』の実現に向けた取り組みが、1期4年間の通信簿として高く評価されたものと大変感激しております。同時に、今後の市政運営に対する皆様の大きな期待と、その責任の重さを感じ、改めて身の引き締まる思いです。今後も市民の皆様の声をさまざまな施策を通じて市政に反映できるよう、市民の目線に立ち、スピード感のある市政運営に全力で取り組んでまいります」
前向きな人生を
――最後になりましたが、23万人の大和市民に向けて、新年のメッセージをどうぞ。
「先行きが不透明な社会情勢ではありますが、このような時だからこそ夢を持ち、そこに向かって進むことが大切だといえます。夢の内容はそれぞれ違っても、夢を持つことは誰しもが前向きな人生を送るために重要なこと。是非、夢を持って勇気ある一歩を踏み出していただきたいと思います。今年も、市民の皆様の健康と幸福を願い、引き続き『健康創造都市 やまと』を推進するため全力で走ってまいります。本年もどうぞよろしくお願いいたします」
(聞き手/本紙大和版編集長 宇佐美真)
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