大和市議会(大谷仁議長)は25日の定例会本会議で、放射性物質に対する対策の強化を市に求める決議案を賛成多数で可決した。
議会が政治的意思表示
決議案は最大会派の新政クラブ(菊地弘代表)が提案し、公明党(古澤敏行代表)と大和クラブ(木村賢一代表)を除くすべての会派が賛成して可決された。
決議文では、これまでの行政の対応に一定の評価を与えつつも、複数の議員が重ねて要望してきたもののこれまでに実現していない【1】放射線測定器の貸し出しと、【2】食品の持ち込み検査を可能にするための機器設置と体制づくりを求めた。
市に不信感
これらの対策は昨年の夏以降、少なくとも4人の議員が一般質問で要望してきたが、市はその都度、独自の主張を繰り返してきた。 市では昨年7月から、市内小中学校と保育所、幼稚園、公園計65施設で同じ手法による線量測定を開始。その結果を週に2回、ホームページで公表している。
こうした取り組みを背景に「常に安定した状況」というのが市の主張だったが、今年6月に職員による訪問測定が突如始まると、市の対応に不信感を持った超党派の議員が同調し、今回の決議案提出に動くこととなった。
賛否両論
決議案の採決で反対した公明党(吉澤弘議員)は採決前の討論で「貸し出しには市民に手間が生じ、測定器の扱いにも不慣れ。6月から訪問測定を始めたばかりなのでその状況を見ての判断が必要」とした。大和クラブは反対理由を明確にしなかった。
賛成討論に立った共産党(堀口香奈議員)は「長い年月をかけて向き合う問題」として決議を支持。みんなの党(山本光宏議員)も「不安解消につなげるために必要」と述べ賛成した。
市の対応は
市議会では、定例会ごとに様々な意見書や決議案が議員提案されているが、その大半が国に対するものがほとんど。市に対する決議について議会事務局では「少なくてもこの5年ほどは例がない」としている。この決議内容は、議決から3日以内に市総務課に送付し、市側が対応を判断する。
決議自体に法的な拘束力はないが、市民を代表する大和市議会の政治的意思表示に、同じく市民の代表である大木市長がどう対応するか。行政側の今後が注目される。
決議に対して大木市長は「空間放射線量と食品検査については市民の安全・安心を確保するため引き続き適切に対応していく」とし、大谷議長は「市側の適切な対応をお願いしたい」とそれぞれコメントしている。
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