大和市は29日に開会する市議会定例会に、教育委員会が所管する文化とスポーツの事務に関する職務権限を、市長に移すための条例案を提案する=11月28日起稿。
市が提案するのは「大和市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例」の制定案で、教育委員会が所管するスポーツと文化に関する職務権限を、平成25年4月から市長に移譲するために制定するもの。
文化、スポーツの事務権限を市長に移すことは、平成20年に改正された「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」で新たに認められていて、県内では横浜、川崎、鎌倉、小田原など6市が文化、スポーツ、秦野と座間がスポーツの職務権限を市長に移している。
スポーツ立国をめざすためにスポーツ基本法が平成23年に制定され、このなかで国や地方公共団体の責務が明確化された。そうしたなか、女子サッカーへの支援をきっかけとした総合型地域スポーツクラブの創設を目指す市が、スポーツに関連する事業の円滑な推進を目指し、今回の権限移譲をめざしたとの見方もある。
大和市では2009年4月の組織改編で市長部局に文化スポーツ部を設置。文化とスポーツに関する事務を市長部局が補助執行してきたが、今回の権限移譲が実現すれば意見聴取などの手続きが大幅に簡素化され、スポーツ推進審議委員の人選にも市長が直接関与できるようになるなど、市長部局による機動的な施策展開が可能となる。
今回の条例制定案を事前に審議、承認した市教育委員会(森山寛委員長)は、学校教育との密接な連携の継続を求めたうえで「学校の教育課程ではこれまで以上に良質な文化芸術に触れる機会や、スポーツ活動では高い技術の指導を受ける機会がより生まれるような環境整備」を求める意見書を市側に提出している。
この条例案は、12月5日午前9時から開かれる市議会総務常任委員会(木村賢一委員長)で付託審査される予定。
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